第26話

(やったぁ!和食のバリエーション増える)

「はい、楽しみにしてます」

二人は食事を済ませ部屋に戻る。

「今日は疲れたから寝ようか」

「そうですね」

二人ともベッドに横になり就寝する。

もぞもぞ

(うーん……なんだ?)

もぞもぞ

アキトは目が覚める。

目の前には、グラウディウスの顔があった。

「どうしたの?グラウディウス……寝付けない?

ほら……こっちおいで」

僕は手を広げ、抱っこのポーズをとる。

すると、グラウディウスが抱きついてきた。

「よしよし、大丈夫だよ。僕がいるから安心して眠りなさい」

頭を撫でながら落ち着かせる。

(アキト様なんてお優しいんだ)

「いいこいいこ」

「俺は子供では……」

「そうなんだけど……この方が安心するかなぁって」

「そうですか、なら甘えさせてもらいましょう」

「いいんだよ。存分に甘えて」

「ありがとうございます」

暫くして落ち着いたのか静かになる。

「すぅ……すぅ」

寝息が聞こえてくる。

「可愛いやつだ」

「むふっ♡」

アキトの胸に顔を押し付けグリグリしている。

(男の胸にぐりぐりって)

「くすぐったいよ。グラウディウス」

「むふふ♡」

「仕方がないな」

「すりすり」

「まあいいや、僕も眠いしもう一回寝るか」

翌朝

起きてベッドから降りる。

グラウディウスはまだ寝てる

着替えをしてグラウディウスを起こす。「おはよう、グラウディウス」

「お、おはようございます」

「朝ご飯食べにいこうか」

「はい、わかりました」

二人で朝食を食べるために食堂へ向かう。

席につき注文をする。

昨日と同じメニューが出される。

「美味しい!」

(朝食には納豆もあってバランス良き!)

ピコン

『大豆大好き』のレベルが上がりました。

(レベル上がるの早すぎだろ)

「美味しかったなぁ」

「美味しいです」

部屋に戻り、荷物を持ち宿を出る。

アイテムボックスに荷物を仕舞い入れ

「さあ、資金も貯まったからいざ行かん。『葛の葉の都』へ」

「アキト様は『葛の葉の都』へ向かうのですか?何故?」

「あ、グラウディウスには目的を言ってなかったね。僕はこのラリアン国に『味噌』『納豆』『醤油』『お豆腐』『生姜』『葱』を買うことが目的なんだよ」

「貴方様がこのラリアン国へ来た目的はそれだったんですね」

「そう!グラウディウス!行こっか」

「はい、アキト様」

宿屋を出て門に向かう。

門番にギルドカードを見せ街から出る。

街道を少し歩き

「テレポート」

次の瞬間、二人は『葛の葉の都』の前にいた。

「ここが『葛の葉の都』です。アキト様」

「グラウディウスは『葛の葉の都』に来た事があるって事だね」

今回のテレポートはグラウディウスに任せたんだ。

「はい。アキト様が葛の葉の都へ行くのでしたら俺は過去にこの都へは来ているので使用しました。」

なら

彼のテレポートを『追跡』して『登録』と

ピコン

『葛の葉の都』をテレポート登録出来ました。

「テレポート登録完了」

「え!?アキト様!?今何を」

「うん?グラウディウスのテレポートを追跡して登録しただけだよ」

「は!?なんて高度なテクニックを!!?」←え?また僕なにかやらかした?

「ん?そんな難しいことじゃないよ」←適当に言っておく。

「そうなんでしょうか?」←ちょっと疑われているが気にしない!

「うん!そんな事より早く行こうよ。『大豆』が待ってるよ」

「はい!アキト様」

「ところでアキト様?『大豆』って何のことなんでしょう?『大豆』が売っているお店でもあるのですか?それとも食べ物なのですか?」

「ああ、ごめん。『大豆』っていうのは、僕の世界で主食として食べられていたものなんだ。それが、この世界にもないかと思って探しに来ているんだよ」

「そうでしたか」

「その大豆を加工して『醤油』『納豆』『豆腐』にするんだよ」

「ん?……もしかして『ミャズ』の事ですか?」

(ミャズってなんだ?)

「『ミャズ』というのは少し肌色している豆の事でしてそれを加工して『醤油』『納豆』『豆腐』にします」

(あー、ミャズは僕のいたらしい世界での大豆の事かなるほど納得だ)

「そうそう、それそれ」

「はい、わかりました」

「あと、この都ではどんなものが売られているのかなぁ」

「そうですね。主に調味料です。他には食材ですね」

「調味料かぁ、味噌とかあるの?」

「ありますよ。この都の大通りの右側に味噌屋さんがありまして、そこのお店が美味しいですよ」

「おお、味噌があるのか。味噌汁飲みたいな」

「はい、是非行ってみましょう」

「そうだな」

二人は通りを歩いて行く。

すると、右側の方に何か人集りが出来てる場所があった。

大市場と書いてあった。

(へえ、大市場か賑わっているな)

「アキト様、あそこです。あのお店で味噌を売っています」

「本当だ。早速買ってみるか」

「はい、アキト様」

お店の中に入る。

店員が話しかけてくる。

「いらっしゃいませ」

「すみません!お味噌を買いたいです」

「はい、どのような種類をお求めで?」

「味噌の種類ですか?」

「はい、そうです」

(味噌って種類があるんだ)

「うーん……味噌って沢山種類があるのですか?」

「そうですね。赤味噌、白味噌、合わせ味噌、麦味噌、豆味噌など様々あります」

(ほう、様々な種類の味噌があるのだな)

「ちなみに、お値段の方は?」

「こちらになります」

指を差す。

「おぉ、高い」

「はい、こちらは都でも人気の商品となっておりまして、なかなか手に入らないんですよ」

「そうなんですか。じゃあ、おすすめの味噌を教えてください」

「はい、わかりました。こちらが都で一番人気のある『都の味噌』となります。少し食べてみますか?」

(味噌ってそのまま食しても美味いんだよな)

「はい、お願いします」

小皿に少量乗せてくれる。

「どうぞ」

「いただきます」

箸で掴んで口に入れる。

(んっ、懐かしいなぁ。この味)

「美味しいです」

「ありがとうございます」

「これください!」

「はい!銀貨15枚です」

「はい。銀貨15枚」

「毎度あり」


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