第27話

味噌を受け取り店を後にする。

他にも見て回る。

「味噌以外にも醤油とかも置いてるんだね」

「はい、醤油も有名なお店ですからね」

「味噌と醤油か。味噌は大量購入出来たし醤油は少し買おうか」

「はい。そうですね」

「すみません!醤油を買いたいのですが」

「はい。島醤油、赤醤油、黒醤油、都醤油、紫と多数揃えておりますが……どのような味が好みで?」

「え?味?醤油に味が」

「はい。ございますよ。『甘み』が強い醤油、『辛味』が強い醤油、『塩味』の強い醤油、『少し酸味』のある醤油とこれくらいでしょうかね」

「あ、『甘み』!?」

「甘みですとコチラ『紫』とかですね

指を出してください少し垂らしますので」

指に少しだけ垂らしてくれたので舐めてみる。

甘っ……え?甘みがあるぞこれ

「製法に秘密があるようでして『甘露技法』という方法らしいです」

「島醤油と赤醤油って?」

「こちらは、辛みのある醤油でございます。舐めてみますか?垂らしますけど」

「あ、お願いします」

まず、島醤油を舐めてみる。

(うわ!?辛!?これは辛子が入っているのか?鼻に抜ける感じがあるけど)

「あの、これ基本の醤油に辛子が入ってます?なんか鼻に抜ける感じしますけど」

「おお!『辛子』を知ってますか!鼻に抜ける感じが最高というので一部の人に人気なんですよ」

「そうなんですね」

やはり『辛子』か

こっちにも『辛子』は有るんだなと納得する。

「次は、この赤醤油です。指を出してください。」

赤醤油を指に少し垂らす舐めてみる。

(これも辛いなぁ……あ、これはまさか)

「あのこれって唐辛子の汁とか入ってます?舌にかなりピリピリした刺激きますけど」

「おお!『唐辛子』も知ってましたか。これはなかなかに手強い」

(どういう意味だろう?)

ピコン

『商店キラー』を取得しました。←え!?なんで

「都醤油ってのは?」

「こちらは少し酸味のある製法で作られている醤油になります。癖はありますが美味しいですよ。これも舐めてみます?」

「あ、はい」

指に垂らす、舐めてみる。

(少し酸味があるし匂いにも軽くだけど酸っぱい感じあるな)

(黒醤油は塩の濃いやつだと思うからスルーしよう)

僕は、悩んだ末

『島醤油、都醤油、紫』を購入した。

店から出て少し歩くと

「ん?あれは『生姜』を扱ってる店か」「はい、そうみたいですね」

「生姜も買うかな」

「生姜って何に使うのですか?」

「生姜は料理に使える万能食材だよ」

「万能!?」

「うん!肉や魚などの臭みや癖を取り除いてくれるんだよ

それに殺菌効果もあるらしいぞ」

「そんな素晴らしいものがあるのですか!アキト様は博識でいらっしゃる」

「そんなことはない」

ピコン

『謙遜』のレベルが上がりました←あ、やばレベル上がった

『博識様』を取得しました。←ん?なんだこれ

『博識な男』を取得しました。←え?なにこれ

「とりあえず、買っておくか」

「はい、アキト様」

店員さんが話しかけてくる。

「いらっしゃいませ。何をお求めで?」

「生姜を3キロほど欲しいのですがありますかね?」

「ありますよ。お持ちしますので少々お待ち下さい」

店員が奥に行く。

「お待たせしました。こちらになります」

「はい、ではこれを頂くとしてお値段の方は?」

「金貨2枚になります」

(おぉ、まあ、これくらい買えばそのくらいか)

「はい。金貨2枚」

「毎度あり!」

「(ふむ)」

「どうかされました?お客さん」

「小麦粉とか油があったら『生姜天ぷら』とか魚のすり身と合わせて『魚介生姜天ぷら』とかできるなって思いましてね。

酢とかあったら

『生姜の酢漬け』も出来るなあって」

「お客さん!すごい発想力ですね!!お料理上手なんですか!?」

(まあ、一人暮らししてたしなそれくらいはそつ無くこなしてたな)

「いえ、ただ単に好きなだけです」

「そうですか……ちなみに今度、うちのお店で出店するんですけど、そこで試食会みたいな事するのですが来られませんか?」

「えっ?いいんですか?」

「もちろんです!是非ご参加ください!」

(美味しいものが食べれるなら参加する)

僕がにこにこほくほくした顔をしてるので

「美味しいかはちょっと自信ありません」

「『生姜』は塩ゆでしたり生をおろし金で摩り下ろして薬味として利用もできますから万能ですね」

「え!?そうなのですか」

「採りたてなら生で齧っても美味しいですけどその場でしか無理ですし」

「摩り下ろしも採りたてから3日以内ならOKですが……だんだんとえぐみ出ますので……」

「そうなのですね」

少し店主はしゅんとなる。

「これは採りから何日目?」

「昨日うちの農園から採ってきたばかり」

(なら摩り下ろしは可能か)

「試食会はいつ頃?」

それを言うと店主が

「1週間後です」

(ふむなら)

「僕、アイテムボックス使えますのでなんなら試食会当日まで預かれますけど」

「アイテムボックスって野菜とか新鮮なまま保管できるというあの?」

「はい」

「いいんですか?たしかに試食会にはお誘いしましたけど」

「構いません。申し遅れました。僕はアキトと申します。こちらは従者の」

「グラウディウスと申します」

「私は、『生姜』売りをしております。ラウディと申します。では、当日まで預かってください。」

「ラウディさんですね。分かりましたでは1週間預かります」

アイテムボックスにキーアイテム『生姜』の欄を付けて

2kg預かった。

僕はボックス錬成でおろし金、受け皿を作り出す。

「これおろし金と言います」

「それで何を」

「先程この店で買った……生姜を擦ります。

それでこの受け皿に受けます少し食べてみてください。」

店主に食べてもらう。

「!?美味しい!単体でも美味しい!」

「あと、ちょっとだけ特殊な食べ方があります」

「どのような」

ボックス錬成で包丁、まな板を錬成する。

ピコン

『ボックス錬成』のレベルがあがりました。

生姜と蔕部分を切り、食用部分を乱切りし

『塩』掛けて店主に

「これでOKです。食べてみてください」

「切って、塩を、掛けただけですよね……あむ……!?……え?……なんで美味しいんですか!?」

(これは僕も不思議だったけど本当にこれだけでも美味しいんだよね)

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