第23話
「こんにちは」
「あ、アキトさん、グラウディウスさんこんにちは」
依頼掲示板を見る。
どの依頼がいいかな
(なんだこれ?)
『チャージボアを討伐して欲しい』というものだった。
「ねえ?グラウディウス、『チャージボア』なに?」
「『チャージボア』は、その名の通り突進してくる猪型の魔物でランクはDです」
「じゃあこれにしようか」
「え?あ、はい分かりました(チャージボア程度ならアキト様と俺なら瞬時に終わりそうだが)」
受付嬢に話しに行く
「すみません、この依頼を受けたいのですが」
「あ、はい!では、受理しますのでお待ちください」
少しして
「受理完了です。では、お気をつけて」
街の外へ出る。
大体の『出現場所』は街道沿いということらしい。
「アキト様、この辺りに出現するはずなのですが」
「いないね」
「そうですね」
「仕方ありません。少し奥の方まで行ってみましょう」
さらに歩くこと30分
「いませんね」
「うん」
更に10分ほど歩いてようやく見つけた。
だが、その先にいたのは、二匹の『チャージボア』だった。
「あれ?一匹しかいないね」
「そうみたいですね」
するともう一匹はこちらに気付いたのか勢いよく向かってくる。
「はっ!」
グラウディウスが剣を抜き、チャージボアを斬り伏せる。チャージボアは首を跳ねられ倒れる。
あと1匹も突進してくる。
『剣格士』をスキルセット。
『剣術』『体術』『気配察知』をセット。
チャージボアを待ち構える。
「はっ!」
グラウディウスの一撃が入る。
「ギャァー」
断末魔をあげながら倒れ込む。
「アキト様!」
「ああ、わかってるまだ2匹くらい近くにいるな」
「はい!」
索敵を開始する。
「……近いな」
「はい!」
「グラウディウス、僕が右をやるから君は左を頼む」
「了解です!」
「いくぞ!」
「はい!」
二人は飛び出した。
アキトが飛び出す。
「うおおお!」
「ギュアアー」
アキトが切りかかる。
「ふんっ!」
ズバッ アキトの攻撃は見事決まりチャージボアの体に傷がつく。
「グギィッ」
チャージボアは怒り狂ったように突進してきた。
「グラウディウス!」
「はい!任せて下さい!」
グラウディウスは走り出す。
「はぁあああ!」
ズバババ グラウディウスが放った斬撃は全てクリーンヒットしチャージボアの体を真っ二つにした。
「ふぅ終わったね」
「そのようですねアキト様」
「アキト様、そろそろ日が暮れます。野営の準備をしましょう」
「ああ、分かった」
手頃な場所で準備を始める。
「アキト様、テントは俺に任せて下さい」
「ああ、ありがとう」
グラウディウスがテキパキと準備を進めていく。
(すごいな)
「アキト様、薪を集めてきました」
「ああ、そこに置いといてくれ」
「はい、分かりました」
火を起こす。
「アキト様、食事は俺が作りますからアキト様は休んでいて下さい」
「ああ、わかったよ」
(本当に何からなにまでやってくれるな)
グラウディウスが料理を作り始める。
「アキト様、出来ましたよ」
「ああ、ありがと」
「どうぞ」
「いただきます」
肉を焼いているだけなのにとても美味しい。
「おいしいよグラウディウス」
「アキト様に喜んで頂けて光栄です」
(ん?なんか、変だな)
「アキト様、片付けをしておきました」
(まあいいか)
「じゃあ僕は寝てるから見張りよろしく」
「はい!おやすみなさいませアキト様」
アキトは疲れていたのかすぐに眠ってしまった。
(可愛い)
グラウディウスはアキトの頭を撫でている。
(アキト様の髪はとても綺麗でサラサラしている。まるで天使のようだ)
「んん……」
「あ、すみません起こしてしまいましたか?」
「んん?あぁ大丈夫だよ」
「そうですか、なら良かったです」
「ん?……あぁ、そういえば魔物は?」
「あぁ、全部倒しましたよ」
「そうなんだ、じゃあ明日に備えて早く寝よっか」
「そうですね」
次の朝、目が覚める。
「おはようございますアキト様」
「あ、うん、おはよー」
「朝食が出来ています」
「あ、うん、ありがと」
(なんか、おかしいな……気のせいかな?)
「さて、今日も頑張ろうか」
「はい、そうですね」
再び街道を歩き出した。
しばらく歩くと、また魔物が現れる。
「アキト様、魔物です」
「あぁ、分かってる」
アキトが前に出る。
「はっ!」
バシュッ 魔物の首が飛ぶ。
「はっ!」
ズバン! グラウディウスも首を切り落とす。
「これで終わりかな」
「えぇ、終わりですね」
その後も何度か出てきたが特に問題なく進んでいった。
そしてついに目的地に着いた。
「ここら辺で休憩しようか」
「ええ、そうしましょう」
アキト達は木陰に座り一息つく。
「アキト様、少しいいでしょうか」
「うん?なんだい」
「昨日から、少し様子がおかしかったのですが何かあったのですか?」
「あぁ、それはね」
事情を説明する。
「なるほど、そういうことだったんですね」
「うん、だからちょっと気になっちゃってね」
「いえ、お話してくださればよかったのに」
「いや、僕が勝手に心配しただけだからね」
「そんなことないですよ。俺はアキト様のことが好きです。なので、少しでも力になりたいと思っているんですよ」
「うん、ありがとう」
「いえ、当然のことを言ったまでです」
「これからも、こんなことがあるかもしれないけど、その時は相談するね」
「はい!」
休憩を終え出発する。
ヒヤナックの街に戻り
冒険者の店に寄る。
「ただいま!」
「おかえりなさい」
「依頼完了したんで報告に来ました」
「では、確認しますので少々お待ちください」
しばらくして
「はい、確かにチャージボアの討伐を確認しました。報酬をお渡し致します」
「ありがとう」
「こちらが今回の報酬の金貨5枚です」
(結構な稼ぎになったな……グラウディウスになにかご馳走してあげようかな)
外に出ると
「ねえ?グラウディウス」
「なんですか?アキト様」
夕飯をどこかで食べに行こうという提案を僕はする。
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