第8話

街道を北へ進み

『オールド山脈』を越えた辺りで

『お泊まり本舗』という看板を見つけた。

『お泊まり本舗』とは?

『冒険者組合』が『作った』宿屋施設である。

ここ運営する者達は全て『冒険者組合』に所属する『Sランク冒険者』である。

だからお泊まりに来るお客様を魔獣などからお守りすることも仕事なのである。

(ほへー、そうなんだ)

とりあえず入ってみるか! カランカラーン

「こんにちはー」

「『お泊まり本舗』へようこそ。私は当宿の女将をしておりますアイラと申します。本日はご宿泊ですか?それと食事付きコースとお弁当付きのコースが御座いますがどちらにいたしますでしょうか?」

(うーん。とりあえず泊まってみようかな)

「じゃあ、宿泊の方お願いします」

「かしこまりました。では、こちらがルームキーとなります2階の203号室です。一階には、温泉もありますのでどうぞご利用ください」

(おおー)

「では、ごゆっくりおくつろぎ下さいませ」

(さて、部屋に行く前にまずは風呂に入ろう)

「ふんふふ~ん♪」

「はふぅ~」

(やっぱり、露天風呂は最高だぜ)

ピコン

『スキル:【風魔法】を習得しました』

(は?)

『【風魔法】を取得しました。』

(え?)

『【風魔法】を取得しました。』

(は???)

『【風魔法】を取得しました。』

(はい?)

『【風魔法】を取得し

(うるせー!!なんで覚えたのか知りてーんだこっちは!?)

『はい。』

(は?)

『【風魔法】は、自然現象の風の力を借りることの出来るスキルです。』

(なるほど)

『また、取得条件は【火魔法】と【水魔法】を同時に習得することです。』

(まじかよ!)

『マジです。』

(はい、で?それと温泉はどういう関係が?)

『【風魔法】は、身体を綺麗にする効果があるとされています。』

(ほほう)

『ちなみに、【水魔法】は回復効果が、【土魔法】はリラックス効果がそれぞれ期待できます。』

(ほほぉ)

『以上です。』

(うん、わかったようなわからんわ!!)

まぁ、いいや。

風呂から上がったら飯でも食うか!

「ふぃー。いい湯だった」

「いらっしゃいませ」

「注文いいですか?」

「はい。何なりと」

「このオススメ定食セットをお願いします」

「はい。かしこまりました。少々お待ち下さい」

しばらく待つと料理が出てきた。

「はい。お待たせいたしました。どうぞ、ご堪能下さい」

「いただきまーす!」

(うまいなこれ)

「美味しい」

にこにこ笑顔になる。

ピコン

『称号:美味しそうに食べるを手に入れた』

(はっ、しまった)

「はい。大変満足いただけましたようで嬉しい限りでございます。これからのご活躍をお祈りしております」

(なんか、めっちゃ恥ずかしい)

「ありがとうございます」

部屋に戻る。

さて、寝る前に

少しだけ

読書でもしようかな。

道具屋で買った

『出撃!ランデブー隊』という小説を買ったので読んでみることにする。

冒頭はこうだった。

『ランバー砂漠での任務を終え、基地への帰路についている時、突然の砂嵐に見舞われた。

そして、気が付くと俺は見知らぬ土地に居た。

そこは、今まで見たこともない景色が広がっていた。

ここはどこだ? そう思った矢先、近くにいた隊員の一人が俺に声をかけてきた。

「隊長!無事でしたか」

「ああ、なんとかな」

「よかった!ところで、ここって一体何処なんですかね?俺たちは確かランバー砂漠に居たはずですよね」

「そうだ。恐らく、何かしらの転移に巻き込まれた可能性が高いだろう」

「転移ですか?じゃあ、ここは異世界だと?」

「わからない。だが、今はそんなことを考えている暇はない。とにかく、まずは状況を把握しよう」

「了解です」

こうして、俺と仲間達は未知の世界へと足を踏み入れたのであった。

果たして、元の世界に帰ることはできるのだろうか?』

なるほど、中々面白いな。

しかし、まだ序盤だしあまり内容は分からないな。

続きを読んでみよう。

『それから、数日後のこと。

俺達を謎の集団が襲ってきた。

「おい、貴様らは何者だ?」

「我々は『反乱軍』だ」

「反乱?なんだそれは」

「我々の王に対する反逆行為だ」

「意味が分からん。なぜそのようなことをするのだ?それに、なぜ我々を襲った」

「知れたこと。我らの王に歯向かう者は誰であろうと容赦しない。それが例え同じ国の者であってもな」』

(へえ、中々に面白いじゃないか)

読書をやめる。

今回は、この辺にして

寝るとするか。

翌朝、起きて着替えて

朝食を食べに1階へ降りる。

「おはようございます」

「おはようございます、昨日はよく眠れましたか?」

「はい、ぐっすりでした」

そういうやり取りをして

朝食は『パン』と『スープ』と『サラダ』だった。

「ごちそうさまでした」

「はい、お粗末様です。今日も、良い一日を」

「ありがとうございます」

お泊まり本舗をチェックアウトして『ランバー湿地帯』を目指して歩く。

ピコン

『歩行レベルがあがり5になりました』

『ウォーキング』を取得しました。

(ウォーキングか)

北を目指し歩く。

しばらくして『ランバー湿地帯』に到着する。

目的の場所まで移動する。

あれが『ネズミ』なのか……デカいな。

『ワーラット』

(『鑑定』)

『【名前】ワーラット 【種族】魔物 【年齢】0歳 【状態】空腹 【Lv】3 【HP】25/25 【MP】10/10 【攻撃】7 【防御】6 【魔力】4 【俊敏】13 【運】2』

(ステータス低いな)

『【スキル】

・噛みつき(弱)』

(え、弱いじゃん)

とりあえず、近づいてみようかな。

『ワーラット』が襲いかかる。

『合気道』と『骨法』をスキルセットする。

「はあ!せい!」

相手の力を上手く流しつつ、攻撃を繰り出す。

『【経験値】29を獲得しました』

『レベルがあがりました』

『【スキル】

・受け流し(強)

【称号】

・受け流すもの を手に入れました』

『【称号】

・受け流すものをゲットしました』

(よし、称号ゲット)

よし!次

またもや『ワーラット』が襲いかかる。

『合気道』と『骨法』が混ざり合う。

『マーシャルアーツ』が誕生した。

『マーシャルアーツ』をスキルセットする。

「はっ!やぁ!」

『【経験値】18を獲得』

『レベルアップ』

『【スキル】

・格闘術 【称号】

・受け継ぐ者

・格闘技を極めし者

・マーシャルアーツを会得せし者

・マーシャルアーツをセット

『格闘術』を取得しました。

『格闘士初級』を取得しました。

『拳闘士初級』を取得しました。

(取得しすぎ!あがりすぎ!だが、それがいい!)

『空手』と『骨法』をスキルセット。

『空手』と『骨法』が混ざり合う。

ピコン

『カラテカ』が誕生しました。

『【称号】

・武道を極めし者

・格闘家

・カラテカを会得せし者

・空手をセット

『拳法使い中級』を取得しました。

『武闘家初級』を取得しました。

残りの『ワーラット』を倒すため会得したものを全て出し切る。「はあ!せい!とりゃー!!」

「はい!はい!せい!とう!は!な!ん!だ!ほい!」

『【経験値】21獲得』

『レベルがあがりました』

依頼書に記載された分の『ワーラット』を倒したので

証拠部位をアイテムボックスに入れて

『テレポート』を数回使って『冒険者の店』まで戻る。

『テレポート』のレベルが15まであがりました。

この関係で『テレポート』での距離は

15kmまでとなりました。


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