第21話 〇ッパイは勝利の鍵。


 走り出しながら先ずは足?あるいは移動速度?の速い飛行モンスターから片付けようか。


 (空想魔術書展開、仕様魔術選択、連続使用接続)


 おっと、いけない!いけない! 今回はメモリーBOX解禁っと、広範囲の万能ストレージスキル、条件を満たせば生き物も回収出来るチートだ。

 ボクの今の収納スキルだとそこまで出来ないからね、もちろん爆発はしない。


「では改めて、『ソニックフィスト』!」


 右腕から放たれる音速の拳は射線上の飛行モンスター達を次々と打ち落とし、更に発生した衝撃波によって巻き込まれたモンスターが姿勢を崩し互いに衝突し墜落する有様だ。


 それだけでは終わらず、ナイヤは両腕を用いて連続で『ソニックフィスト』を放っていく。


「おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃーっ!」


 掛け声と共に放たれるラッシュ攻撃に次第に数を減らす飛行モンスター、実際は数が減ったように見えるだけで危険を感じ進路を変えただけだったが、それでも強気に押し進む剛の者もいた。


「む、ドラいや、ワイバーンか?」


================


名前 無し 

Lv 71

種族 ブラックワイバーン

性別 雄


筋力 B

体力 B

器用 B

速力 A

知力 C

魔力 C

幸運 F


スキル

〈種族スキル〉

・飛行 ・猛毒 ・咆哮 ・中位闇魔法 ・鉤爪


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 わー、ちょっと強そう・・・ヨシ! 闇には光だ!


『シャイニングフィストォー』


 ちょっとハイになって来たボクは輝く拳を解き放つ!


 拳は途中で大きく掌を開き、ブラックワイバーンの頭部を鷲掴みにすると、まばゆいばかりの閃光を放ちブラックワイバーンを地上へと堕とすが墜落途中で他の飛行モンスター達同様にナイヤの万能ストレージへと回収された。


 その後も大物を仕留めたり堕としたりしていると、地上を移動中のいよいよ境界の草原へ近付きつつあった。


 !?


 そんな矢先に索敵に反応有り! 魔境の地の奥から高速で接近する飛行物体! 長距離観測・・・目標確認・・・鑑定開始


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名前 無し 

Lv 120

種族 サンダードラゴン

性別 雄


筋力 A

体力 A

器用 A

速力 S

知力 A

魔力 A

幸運 C


スキル

〈種族スキル〉

・飛行 ・ブレス ・咆哮 ・雷魔法 ・ドラゴンアーツ

・磁気障壁


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 魔境の地にドラゴンなんていたんだ、ヘエ~、知らなかった。


 って、呆けている場合じゃ無かった、出し惜しみ無し! 切り札の一つを切る!


(頭部メインマナクリスタルの機能を各メインマナクリスタルに移行 頭部メインマナクリスタルに空想魔術術式展開 ハイメガマナ粒子砲発射可能)


「ゴーグル着用」


 ボクとシャイニスは専用ゴーグルを装備すると、サンダードラゴン目掛けて切り札を放つ!


「堕ちろ!『ハイメガマナ粒子砲』!!」 


 額のマナクリスタル放たれる七色の極太ビームはサンダードラゴンの磁気障壁を紙屑のように消し去りそのまま包み込んだ!


 ナイヤが放つハイメガマナ粒子砲はそれだけでは留まらず後方の光の大樹へと突き刺さる!


 1秒、2秒と短くも長く感じる時間が過ぎようやくナイヤの攻撃がおさまる。


 攻撃がおさまったその先には、その存在を知らしめていたサンダードラゴンが影も形も無く消え去っていた。

 (実際はドラゴン気絶後に消滅寸前で回収しているので消滅はしていない)


 ?・・・あれ、ハイメガマナ粒子砲を打ち込んだ光の大樹が少し大きくなってないか?・・・気のせいか、おっといけない地上のモンスターも散らさないと。


 ハイメガマナ粒子砲を使用したら、もう一つの切り札も使っちゃおうかなぁ(わくわく)。


 分からせは初めが肝心! 何処かのおじさんが言っていた。


(胸部装甲セーフティーロック解除 手動による開閉開始 胸部保護用布開閉時に同時除去)


 革鎧の胸部に魔力を流しロックを解除する、胸部中央部に両手の指を押し込みそのまま指を引っ掛けて胸部装甲を左右に開く、その際鎧下のインナーが邪魔になるので一緒に引っ張り裂き破る。


 そうして露わになったまだ蕾の双丘は、ツンと上向きの先端ポッチが悠然と構えている。


(胸部の露出を確認 サブマナクリスタル生成開始 双丘のマナクリスタル化開始 同時進行 空想魔術術式展開 胸部メインマナクリスタルにマナ粒子集積 マナ粒子クリスタルチャンバー内で正常に加圧中 充填率80% 双丘のマナクリスタル化完了 充填率90% 姿勢制御開始 充填率100% メインマナクリスタルよりサブマナクリスタルへに装填開始 充填率110% 装填完了 充填率120%)


「消し飛べ!『Aカップ・スマッシャー』!!!!!!!」


 叫びと共に放たれた七色の閃光は前方から迫る無数のモンスターを飲み込み、宣言通りに消し飛ばした。


 轟く轟音と閃光、全てがおさまった後には地面は削り取られ赤く焼け爛れ、閃光のが飲み込んだ爪痕が魔境の地の奥深くまで続いている、Aカップ・スマッシャーの爪痕は約幅50メートルにも達し全長に至っては光の大樹にまで達している。


 二つの切り札を立て続けに使用したナイヤはAカップの双丘を外気にさらしていた。


 双丘を覆っていたサブマナクリスタルもすでに吸収しており、熱を帯び薄い桃色に染まる慎ましい〇っぱいは、立ち上る地表の熱と温められた外気の熱で汗ばんでくる。


 ナイヤとしては外気で冷やしたかったが、汗ばむ一方なので革鎧を閉じ魔力を流してロックした、そして改良点として胸部の肌着の改良どのみち破かなくても、Aカップ・スマッシャー発射時に胸部の布だけ消し飛んでいた。


 今回は回収まで手が回らなかったので全て消し飛んでしまったし、現在は頭部と胸部のメインマナクリスタルがクールタイムのため使用出来ない。


 ・・・でも地上のモンスターは進路を変えて左右に分かれたから被害が出るのは両隣国かな、増えても1割増程度だろう・・・がんばれ!


「ぴいぃ」


 一部始終を見ていたシャイニスは私のナイヤは凄いと改めてパートナーのことを誇りに思った。


 イスラートへのモンスターパレードはこれで押さえ込めただろう、後は2~3日ここでハグレモンスターを処理して問題が無ければこっそり街に忍び込もう、恐らくは逃げた連中が情報を持ち込むだろうし。


 何よりも、あの目立つ光の大樹はデカすぎるから街の高台からもはっきりと確認出来るだろう、・・・なんかまたデカくなってないか?・・・ボクの攻撃による因果関係は無いよね?


 おっと忘れていた、あのギルドマスター達がただ黙っているわけが無いから、隠蔽重ね掛けで後処理をしていこうもちろんシャイニスにもしっかり隠蔽重ね掛けっと!


 こうしてボク達は冒険者ギルド斥候からの調査を掻い潜り魔境の地でモンスターパレードの進路をイスラートに向かわないように調整し、光の大樹の経過を観察しながら3日を過ごした。


 結果として光の大樹はその後1日で実体化を始めた。


 大きさは3/4程に縮み安定している、接近してみたが高濃度の魔力で周囲が包まれており、耐性無く近づくと高濃度魔力汚染によって身体にどのような影響が出るか分からない状態だ。


 大抵は高濃度魔力に耐えきれずに全身の穴という穴から色々と垂れ流して膨張し肉塊となるだろう。


 落ち着くのは光の大樹、いや『輝光樹』が周囲の環境調整を済ませれば5年以内には落ち着くだろう。


 今現在、輝光樹に触れているのはボクだけだ、シャイニスは流石に危険なので汚染されないギリギリで待機して貰っている、ずいぶん渋られたが懇切丁寧に説得した。


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・輝光樹

 膨大な魔力暴走により目覚めた世界樹の亜種。

 通常であれば暴走した魔力を吸収し続け実体化せずに膨張し霧散、この地を魔力汚染で真の魔境と化すはずであったが、外部から高純度のマナ粒子を摂取することにより安定し実体化を果たした。

『ありがとうママ、ぼくをこの世界に繋ぎ止めてくれて、ぼくの願いを叶えてくれて、ぼくの聖地を守ってくれて、本当にありがとう』


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 ・・・・・・や ら か し た !

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