第20話 バカは征く。
あれから20日程が過ぎ、いよいよあと3日でボクも15歳になります。
実質はまだ0歳だけれどね、バレなければ犯罪ではないと何処かの邪神様も言っていたし、気にしない気にしない、さて一働きしてきますかね。
何せ冒険者ギルドからの保護も成人すれば自己責任だからそろそろ動く出しそうなんだよね、欲のまみれたお馬鹿さん達がウロウロと探りを入れている様でそんなにボクのシャイニスが欲しいのかね。
まあ最低でも大金貨以上の価値らしいから当然か、今はギルドが匿ってくれているけれどボクばかり贔屓していると色々と問題があるし、でもボクの成人する日取りとかが連中に漏れているのはギルド職員の怠慢だと思う。
はあ、愚痴を言ってもしょうがないか、治安防犯の良いと言われた日本でも高額当選者の情報を銀行職員が、小遣い欲しさに漏洩するって言われる、都市伝説があるぐらいだから、意識が低いこの世界だと小遣いを握らせたら簡単に調べて教えてしまうか。
シャイニスもあれから土汚れを綺麗に落としてブラシを丁寧にかけたら、もう眩しいばかりの美人さんになって、いや~余計に目立った目立った。
おかげでストーカーが増えること増えること、まあ殆ど帰らずの森で採取や狩りをしていたから街の付近での話しだけれど。
(街と帰らずの森の行き来をシャイニスと競争しながら移動するので誰も追いつけないため、今では待ち伏せで監視をしている)
お陰で少し成長出来た。
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名前 ナイヤ・ルートス
年齢 14(偽装可能)
Lv 40
種族 人族(魔導式人造人間718号)
性別 女性(?)
職種 自由人・冒険者
筋力 SS
体力 SS
器用 S
速力 SS
知力 S
魔力 S
幸運 ?
スキル
〈種族スキル〉
・超身体魔力強化 ・超スキル強化 ・超身体魔力回復
・マナ粒子操作 ・マナクリスタル生成吸収
・万能耐性 ・魔導眼
〈ノーマルスキル〉
・上位戦闘術Lv8 ・上位解体Lv8 ・上位収集術Lv7
・上位生活魔法Lv7 ・中位サバイバル術Lv5
・上位料理Lv1 ・中位ゲリラ戦術Lv4
・中位製作Lv4 ・中位付与魔術Lv3
・下位手加減Lv10 ・下位走術Lv8
・下位加速Lv8
・下位火魔法Lv2 ・下位風魔法Lv2
・下位水魔法Lv2 ・下位土魔法Lv4
・下位光魔法Lv3 ・下位闇魔法Lv2
〈レアスキル〉
・テイムマスター ・縮地 ・ネコの集会場
〈ユニークスキル〉
・マッドガーデン ・○○○○エフェクト
〈転生特典スキル〉
・空想魔術 ・最高位収納 ・言語理解伝達
〈固有スキル〉
・メモリーBOX ・廻る魂
〈称号〉
・猫女神の転生者 ・107回転生した使徒 ・異界の便利屋
・生体兵器 ・無垢の怪物 ・ジャイアントキリング?
・猫又の盟友 ・ネコネコネッコワーク会員
〈テイムモンスター〉
・シャイニス
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レベルも1上がりノーマルスキルも若干上がった、基本魔法系と移動系のスキルも覚えた、レアスキルでは縮地が何故か生えた。
更にユニークスキル○○○○エフェクトは強化に対して様々なエフェクトを発生させることが出来るスキルで擬似的にスーパーなヤサイとか、ガン〇ムなトラ〇ザムとか、幻想的なオーラ等を好きな様に演出できる。
でもそれよりも嬉しかったのが地道な活動でやっと習得出来た『ネコの集会場』! 街の各地区のネコ達とボスネコに挨拶と貢ぎ物をして認められることで習得出来るレアスキル! スキル効果はネコの集会場への出入りが出来る。
もちろん只の集会場ではない、ねこねこ結界で守られたネコ以外は厳選な会員制の超プレミアな集会の入出許可だ!
猫又のマダム・ニャリアーゼにマタタビに似た効果のニャタタビを探しだし献上してやっと習得することが許されたスキル、たとえ猫女神の転生者であっても簡単には許可を得られない希少なスキル。
更に称号まで頂いた! 充実した活動だった、仕留めた肉を配って回ったり、病気や怪我のネコを治療したり、ギルドの依頼でネコ探しをしたりと見えないところでコツコツと活動してきたことが実を結んだ。
お陰で集会に参加して貴重な情報を入手することが出来た、ボクをと言うよりもシャイニスを狙っている貴族や商人、裏社会に人間などをネコネコネッコワークを駆使し洗い出した、もう此奴らの情報はネコの肉球の上である。
そんで最新情報としては成人寸前で拉致しようという計画や成人後に脅しと詐術で奪い取る計画が貴族と商人各自で計画され、その仕事を裏社会の連中が請け負っているそうだ。
まあバレバレなんだけれど、拉致の方法も採取中に風上から無味無臭の麻痺薬を散布してボク達の動きを封じるつもりらしい、その麻痺薬って禁制品で所持するだけで捕縛され、しかもとんでもなく高価らしいけれど採算とれるのかな?
うん? それが分かっていて何で帰らずの森に向かうかって、それは前世から培ってきた経験と勘、ボクの直感が囁くんだ。
『アーザルトお父様が逝かれる』ってもう時間がないと轟き叫ぶんだ。
だから危険を承知でシャイニスと爆走している最中、そして今帰らずの森に突撃した。
予想通り隠れて待ち構えていたがボク達が一向に減速せずの突進してくるから急いでくするの準備をしているみたいだ、焦ると薬瓶を落とすよ。
障害物を華麗に躱し森を抜け境界の草原に辿り着くボク達。
魔境の地がある方向をゆっくりと眺める・・・静かだ、敏感なモンスターや獣は息を潜めている。
ボクは一歩ずつ歩き始め森から離れる、大体100メートル程離れた後、前方の草原に目掛け空想魔術を放つ。
『ファンウェーブ』
腕を横に払う様に衝撃波の壁を扇状に広がるよう放ち草原を削り取っていく。
そして衝撃波の壁は1㎞程まで進み威力を弱め消滅した、ボクの目の前はすっかり見通しが良くなったここを最終防衛ラインとして準備を整える。
大気が静まる・・・静寂に耳が痛い・・・始まりは地面からの微かな振動。
始まった、地面が揺れ空気が揺れる、魔境の地から空に向かい黒い何かが浮き上がる、瞬間世界が一瞬停止した様な錯覚に捕らわれ・・・GGGGGGGGooooooooooooooo!!!!
神鳴とも違う腹に響く様な振動が身体を抜けて行く、振動と共に魔境の地の奥から立ち上る光の柱、光の柱は天高く伸びる途中で次々と枝分かれを繰り返した。
それはまるで巨大な光の大樹であった!
「・・・散り際も派手だなぁ~、アーザルトお父様は・・・」
ボクは両手を合わせると静かに黙祷を捧げた。
『良い旅路を、お父様、お母様、お姉様・・・』
目を開きふと空を見上げると寄り添う様に天へと昇る三つの光が見えた。
そんなボクの温かい気持ちとは裏腹に『滅びし聖地』はかつてない大混乱に陥っている、突如起きた異常事態に逃げ惑い騒ぎ出すモンスター達、当然爆心地から離れるだろう・・・そう外側へと逃げ出してくるのだ。
『モンスターパレード』
様々な原因で起こるモンスター達の大移動、災害と言うべきその脅威を人は乗り越えなければいけない。
ボクはこの災害を起こした者の関係者ではあるけれど人々を守る義務はない、これから起こるであろう悲劇を全て救う義理もない、無茶をするのは馬鹿のすることだ。
・・・でもイスラートには知人が出来た、ボクを気遣ってくれるお人好しがいる、クズも居るがこの際は目をつぶろう。
それにネコさん達を見殺せないし。
「シャイニス、暫く離れていてくれるボクは今バカなことをするから巻き込まれるyごべら!」
シャイニスに頭突きをかまされる!
「ぴいぃ!!」
「痛いよ、シャイニスぅ~、えっいらん気遣いだ! パートナーなんだから一緒に居る、次に余計な気遣いをしたら後ろ足で蹴り上げる! うわぁ、痛そ!・・・分かった、じゃあヨロシクね! 相棒!」
「ぴぃ!」
「ボク達は善人じゃあ無いからこの先の後ろだけを守る、倒す必要は無い大きく横に反らす」
(メインマナクリスタル解放、サブマナクリスタル生成、マナ粒子集積加速、余剰マナ粒子放出)
後方から聞こえる悲鳴、逃げ去る足音、前方より微かに響く死の行進音と風切り音。
地上と空を覆うモンスターの影・・・目を見開き口角を上げ呟く。
「さぁ! 征こうか!」
「ぴぃ!」
ボク達は駆け出す!
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