第17話 ある日、森の先。
エルナさんに付き添われて執務室から出てそのままギルド裏の倉庫に移動した。
裏の倉庫は解体場と併設していて、解体後直ぐに素材を倉庫に運び込める様になっている。
「おや、漸く来たねナー坊、解体済ませてあるよ! 必要な分の肉を持っていきな!」
そうここに来たのはラッシュボアとウリボワの解体したお肉をボクの必要分を分けて貰うため、執務室に連行されている内にムビナさんが匠の技で解体してくれた。
「沢山食べて大きくなりな! 胸も肉を沢山食べたら大きくなるよ!」
それは胸と同時に色々な部位も大きくなるのでは?
まあ各部位を適度に頂いて残りは買い取って貰うことにした。
「支払いは明日以降で良いのかい、じゃあ割り符を渡しておくから明日にでも受付で交換しとくれ」
割り符を受け取りムビナさんにお礼を言いその場を離れる。
ムビナさんは笑いながら「こっちも仕事なんだから、気にすんじゃ無いよ」と言ってくれた。
ギルドを出るまでエルナさんが付き添ってくれ、ボクも「エルナさんは悪くないから気にしないで何時も気に掛けてくれてありがとう」と上目遣いであざとく言ったら何だかフラついていた、疲れが溜まっているにだろうか? お大事に!
その後は闇夜に紛れて姿を隠しマッドガーデンで一夜を過ごした。
翌日、マッドガーデンで身体も気持ちもサッパリした状態で冒険者ギルドに向かい、受付(エルナさんはお休み中)に割り符を提出して買取額分の硬貨を受け取った。
金貨2枚を受け取った、200万ギルか・・・貯金しとこ¥
ラッシュボアがほぼ無傷(頸椎骨折)で状態が良く、肉から良い香りがする最高品質ということでここまで上がったらしい、ちなみにウリボワも買取上限一杯で買い取ってくれた、黒トリュッフは現在査定中だ、新発見らしく調査考察中らしい一応基本的な調理法は伝えてある。
・・・口座を作ることを勧められたが、エルナさんとは別の受付嬢だった、イヤな感じがしたので「この案件は前向きに持ち帰って検討します」と言いさっさと逃げてきた。
まあ鑑定でも危険人物と警報が出ていたので無視しておこう、下手に突くと面倒臭い事になりそうだし。
串肉片手に門を抜けて帰らずの森に向かう、狙いはもちろん黒トリュッフ! 既に実物を鑑定したから素材探査が可能だ!
周囲を警戒しつつ帰らずの森へと入りミニマップと連動して素材探査を行う。
ミニマップを埋め尽くす素材表示・・・目標を絞るのを忘れていた、てへっ!
その後はきちんと修正し黒トリュッフ発見! 採取しようと土魔法で土を掘り起こしてみる・・・失敗した、採取は出来たが何故か全体がブヨブヨで発酵した様な匂いがする。
原因を調べるため鑑定してみると「魔力過多状態」と出た、要するに魔法での採取はNGと言うことか、地道に掘り掘りしなさいとの自然のルールなのだろう。
その後は、掘り掘りしながら邪魔をしてくるモンスターの脳天をかち割って仕留めては、また掘り掘り、かち割っては掘り掘りを続けた。
たまに何処からか情報を得た冒険者が地面を掘っていたが、おしい!そこじゃない!後5メートル先だよ!と心の中で草場に隠れて応援した。
夢中になって掘り掘りかち割り、たまに他の素材も取り取りしながら森の奥へと進んでいった、そう山菜採りが楽しすぎて迷子になる誰かの様に・・・あれって捜索大変なんだよな(何処かの前世の記憶)。
そんなことを考え進んでいくと帰らずの森の出口一歩手前となっていた、この先は「境界の草原」・・・草原と言っても小さな林もあるし丘や川、沼もある。
でもほぼ草原で見晴らしも良い様に見えるが、1メートル以上の高さの草がモンスターの接近を隠す恐怖の草原。
ボクはあっさり索敵出来るから問題ないけれど、主に注意するのは好戦的な草食モンスターと群れを成す肉食モンスター。
群れを成す草食系モンスターはこちらから手を出したり恋に時期に近づかなければ比較的大人しいらしい、特にテイマーは草食モンスターを労働力や騎獣としてティムしたりするそうだ。
・・・ボクも騎獣欲しいな、モフモフ系なら猫系かなぁ、犬あるいは狼、狐、馬、鹿、トカゲ・・・う~ん、ピンとこないなぁ。
警戒を解くこと無く果てしない草原の先を眺めていると、ミニマップに反応。
数は10以上・・・敵性は状況によるか・・・種類は2種類・・・プレーリーウルフ9匹・・・シュレイト4匹・・・襲撃と求愛・・・なんのこっちゃ?
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