第13話 ある日、森の中。
現在ボクは木を伝って移動中、追跡者を置き去りにして森に入って直ぐに大籠を収納に仕舞い、気配を消して木の枝に飛び移りながら移動中。
すでに外は薄暗くなり、森の中は更に暗くなるが、ナイヤにとってはこれ位の暗闇は問題にならない。
我が女神の僕がこの程度の暗闇など昼間と同じさ、しっかし変な連中だったな敵意が無いから放って置いたけれども何だったのかな・・・まさかしくじった? やらかした?
装備に使用している素材はほとんど地元産だし、付与魔術にも隠蔽を含んでいるし、何処かで見落としがあったかな?
*答え:スキル強化されていたとはいえナイヤの付与魔術の位とレベルよりもエルナの真贋の眼の方が僅かに上回っていたから虫食い状態で見えてしまった。
う~ん、15歳になったらさっさと移動しようかな、何処が良いだろう? あっそう言えばダンジョンが在るってアーザルトお父様の資料にあったっけ、冒険者ギルドの資料室にも近隣のダンジョン資料があったはず、後で調べてみよう。
その後も木の枝を足場に進んでいくとマップに反応があった。
「大物反応有り! 何かな何かな! ・・・いひっ♡」
気配を消し、気付かれない様に目視の距離で発見したのは。
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名前 無し
Lv 17
種族 ラッシュボア
性別 雌
筋力 E
体力 E
器用 F
速力 E
知力 F
魔力 F
幸運 G
スキル
〈種族スキル〉
・突貫 ・加速
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後は周辺をウロウロしている。
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名前 無し
Lv 2
種族 ラッシュウリボア
性別 雄1・雌2
筋力 G
体力 G
器用 G
速力 G
知力 G
魔力 G
幸運 G
スキル
〈種族スキル〉
・突貫 ・加速
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親子か・・・それぞれ別の風味で美味しいって書いてあったな。
親は体長2メートル程、子供は5、60㎝って所かな、・・・人影は無し、親から先に仕留めると子供に逃げられてしまうから。
指先にサブマナクリスタルを生成する、生成したサブマナクリスタルにマナ粒子を集める、集めたマナ粒子を利用し空想魔術を使用、鋭く長い爪を作り出す、そして木の上から標的へ向けて撃ち出す!
『ネイルショット』!!!
撃ち出された爪は計6本、ロックオンされた標的の頭部を的確に各2本が命中し内部で脳を破壊する。
ビクビクと痙攣した後声も上げずに倒れる子供達にまだ気付かず食事に勤しむ母親、確か視力はあまり良くないはずだが、嗅覚がズバ抜けて良い、血の臭いに気付く前に仕留めないと。
収納から取り出したるはスチールツリー製の木刀『ボクと撲殺』刀身根元に彫り込まれた文字、何処かの転生時にいった修学旅行の土産物屋にあった木刀を思い出す。(こんな物騒なことは書いてなかった)
木刀にマナ粒子を流し強化する、『ボクと撲殺』が淡い虹色の光に包まれ、準備は整った!
木刀を上段へ構え目標目掛けて飛び降りる。
「チェストーーーーー!」
頸付近に打ち込まれた木刀はラッシュボアの頸椎を砕き両断する勢いのまま行きそうな状態を無理矢理に手加減を使用し寸前で止めた。
つい興が乗ってしまいやらかすところだった、あぶないあぶない。(ふぅ!)
さて後処理をしないとウリボワは血抜きしてから内臓を抜いて、ギルドに売るのどうしようかなぁ、大物のラッシュボアは内包する魔力の影響で暫く鮮度が保たれているから収納しちゃって後で解体しよう。
メモリーBOX内には収納・解体・仕分け・分解・加工・解析・調査・他色々が出来る収納系スキルが納められているけれど一度楽しちゃうと気が緩んでやらかしちゃうからなぁ、今は与えられたスキルで頑張ろう(でも対応出来ないときは躊躇しないで使っちゃお)。
!?、索敵に反応・・・2つ・・・人間・・・冒険者か・・・1つはマーキングしておいた追跡者・・・1つはどれでも無い?・・・新手か・・・他よりも別格で強い!・・・真っ直ぐ向かって来る・・・捕捉されたか?・・・何故バレた・・・あっ!・・・叫び声だ・・・・・・やべっ!隠れないと!ああっ!獲物どうしよう!ウリボワは収納行き!大物は放置&囮!よし!木に登って「ゲリラ戦術」発動!
ふう、間に合った! 全く何処のドイツだ! 気配を消して敵なら生け捕りにして黒幕を突き止める。
・・・距離120・・・50・・・10・・・おおっ、熊みたいな奴が出て来た、森の中で熊さんにで会ったよ。
ふふっ、驚いてる驚いてる、熊さんはボクを探している様だな、後ろにいるのが追跡者か? 鑑定したいけれど・・・あの熊さんは気付きそうだ、勘だけれどだけれど隠れることに集中した方が良い。
熊さんが追跡者に何か言ってるな、聴力上げてみようかな?
「きこえるかー!!」
(みぃぃぃぃぃぃぃ!!! 声がデカイ! 聴力上げた直後に大声出すな!)
「オレ達は君の敵ではない! 君の味方だ! 隠れているのなら出て来てくれ! オレは冒険者ギルド・イスラート支部ギルドマスター、パルムだ!」
ギルドマスター? そう言えばギルドに通ってはいたけれども見たこと無かったな、名前も知らなかったし・・・そうあれだ! 学校の校長先生の名前を知らないのと一緒!
「君を尾行していたのは冒険者ではあるが危害を加えるためではない、ギルドの厄介事から守るためだ!」
ふむ、敵性反応は無い・・・試してみるか「ゲリラ戦術」術式「山彦ボイス」! パルム達の後ろから声を発生させる。
『証明出来るの?』
突然の声に後ろを振り向く
「おう、びっくりした!・・・スキルか? 器用だな、証明かぁ、ギルドマスターのギルド証じゃあダメか? 一度も顔合わせしたこと無いからなぁ、う~ん困った、トラッカア何か案は無いか?」
隣りに意見を求める、求められた相手は頭を横に振り。
「いやギルマス、オレは頭脳労働担当じゃ無いから、それにさっきだってギルマスが叫び声がしたからって走り出したんでしょう? 只でさえ子供が怖がる様な顔なのに夜中に森の暗闇から走って出て来たらオレでも泣きたくなるっすよ」
「顔が怖くて悪かったな! あ~もう~、信じてくれとしか言えん!! 頼む信じてくれ!! ナイヤくん!! 君の様な子が傷つくのは見たくない!! そうさせないためのオレ達なんだ!! 今なら秘蔵の蜂蜜をご馳走しよう!!」
う~ん、敵では無いのは分かっているし、あまり意地悪をするのは趣味じゃ無いし・・・決して秘蔵の蜂蜜に釣られたわけでは無い。
『わかった、しんじるよ』
そう告げると木の上から飛び降り姿を見せる、その際大籠を背負いその中にウリボワを1匹入れておく。
「おおっ、そこに居たのか・・・その年で凄いなオレでも見破れなかった、だが良かった怪我も無い様だ」
・・・デカいが愛嬌のある熊さんだ。
「いえ、何故かご迷惑を掛けた様ですみません」
取りあえず謝ってしまう、日本人の習性は今でも抜けないな。
「ナイヤくんは悪くない、悪いのはそうさせてしまった大人だ」
「でも、ボクも後一月で成人ですし」
「・・・そうだったな、成人するんだったな?」
不思議そうにボクを見つめる2人、悪かったな貧相で!
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