第一章───ひさかたの④
卒業後、絵士となった者は学生寮から四季隊寮に移ることになっている。
しかも、最悪なことに相棒との相部屋だ。
新しい部屋を
「俺、こっち」
新しい部屋に入るなり、光起はすたすたと奥の窓際へと進む。
「あ、勝手に決めるなよ。僕だって窓際の方がいい」
探雪がすかさず
「俺より成績悪いくせに、窓際使いたがるな」
「にゃにおう……!」
探雪はぎりぎりと奥歯を
「それなら、
「へえ、俺に画術で
光起が軽くあしらう。
鳥獣戯画じゃんけんとは、
「いいけど、やり直しなしの一発勝負だからな」
光起が受けて立つ。
「わかってる……」
探雪も
「じゃんけん……!」
掛け声とともに、お
光起の傍らには、
「俺は、鹿。それでお前は……」
見れば、探雪の隣には蛙の模様と座り方をした兎のような生き物がいた。
「それ、どっちだ……?」
「…………さあ」
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