第18話 魔物狩り
食材をオーガに献上した翌日。
早速魔物を狩りに行きたいところだが、最優先は献上する食材を手に入れるのが先。
ジャーキーにした分が残っているものの、このジャーキー分だけでは百キロには届かないからな。
まずは獣を一頭狩ってその分をジャーキーにすることで、期限ギリギリで獣を狩ることができなかった時の保険を用意しておきたい。
まぁ狩りといってもやり方は特に変わらず、くくり罠を仕掛けて罠にかかるのを待つだけ。
手元にある二つのくくり罠を仕掛けておけば、一週間以内に罠にかかるとは思う。
俺のやることは決まったものの、バエル達への指示をどうするかが悩みどころ。
できるのであれば、森の中に放棄された使えそうなゴミを拾い集めてきてほしいところだが、流石にリスクが大きいため任せることができない。
そうなってくると、近場で集められる素材と食材集めくらいしかないか。
全員で掘った落とし穴に、獣がかかる気配がないのも正直痛い。
落とし穴が有用なら、四匹には協力して穴を掘ってもらうことも頼めたんだけどな。
この森は雨が降りやすいため如何せんカモフラージュが難しく、落とし穴は使えないものと考えた方がよさそうだ。
「集まってくれ。今日からの指示を出す。バエルは朽ち木集めを行ってくれ。そしてイチは野草集め。ニコとサブは丈夫なツタと頑丈な石集め。……大丈夫か?」
「ウガッダ! ウガッデル!」
バエルが元気よく返事をし、その後ろに控えているイチ達も頷いてくれた。
物を用意して説明したのもあるが、バエルに関しては言葉を理解し始めている節がある。
毎日コツコツと教えている成果が、言葉っぽい返事にも表れている。
バエルは図抜けて物覚えもいいし、この調子なら近い内に言葉を話せるようになっているかもしれない。
俺個人だけでなく仲間の成長を見守るのも楽しみにしつつ、早速作業に当たったのだった。
軽い補修を行った二つの罠を仕掛け終え、午前中で俺の今日のノルマは完了。
予定よりもあっさりと獣が通りそうな場所を見つけることができたため、午後を丸々空けることができた。
数が増えたことで一日に必要となる食材の量も増えた訳だし、バエルの手伝いをしてもいいのだが……やはり俺は魔物を狩ることを考えた方がいいだろう。
ちなみに狩る魔物はまだ決まっておらず、今の俺が真向勝負で勝てる魔物は限られているため狙う魔物が非常に難しい。
獣と同じように罠にかけるのもありだが、魔物は基本的に群れで行動しているからな。
仲間がいたら罠にかける意味がないし、罠にも限りがあることを考えると、一対一で勝てる魔物を倒していって地道に強くなるのが一番の近道。
コボルトを捕食したことで能力だけでなく、身体能力も微増したからな。
前回も戦ってコツも掴めているコボルトを狙って、確実性を重視して行動するのも選択の一つだが……やはり新たな能力は欲しいところ。
この森に存在していて今の俺が倒せるコボルト以外の魔物といえば、虫型の魔物だろうか。
虫型の魔物も群れていることが厄介ではあるが、単体の強さはそこまでない。
特殊な能力を持った魔物も多くいるため、得られる能力にも期待が持てる。
腕を組み、コボルトか虫型の魔物のどちらを狙うか迷った末、俺は虫型の魔物を狙うことに決めた。
狙う獲物が決まったとなれば早速向かうとしよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます