第2話  異世界は怖い

俺は出来る限り冷静になろうとした


一歩後ずさる、恐怖で腰を抜かさなかったのは幸いだった、オオカミは3匹どれも犬と言えるほど可愛らしい物が一欠片もない


怖すぎだろこのオオカミ


このデカさの犬型を初めて見た

見た目も相まって震えそうになる

数秒オオカミと睨み合う頭を打ち続けたせいで頭が痛く視界が悪いだがそれでも目を凝らして逃げる隙を伺う


すると一瞬1匹の咆哮を上げる、それが合図となりオオカミ達が一斉に飛び込む俺はそれと同時に全力で後ろに逃げる逃げる逃げる、

逃げる場所はわからないだがあれから逃げなきゃ死ぬ、本能が全力で逃げろと言っている、と言うかあれに噛みつかれたら絶対飛ぶだろ


こんな知らない森の中で死にたくない

当たり前だが後ろから追いかけてくる音が聞こえる、その事実に恐怖を抱きながら真っ直ぐ走る


★★★★



でこぼことした地面を蹴りながら駆け抜ける、だが自然の動物に速度では勝てるわけ無く追いつかれそうになる


「やばッッ!」


距離を縮まれて1匹のオオカミが飛びかかってきた、

だがすかさず体を捻させながら回避をする、無理な体制で捻らせたせいか木にぶつかり受け身も取れず身体を打った


「くッッ、くそ!」


2匹一斉に飛びかかる、俺は咄嗟の判断で横に倒れながら受け身を取る、直ぐに追いかけて来たが俺もなんとか体制を立て直しながら走っている

森の地形を利用しながらうまく使って掻い潜るしか無い、



無我夢中になりながら逃げる

数100メートル先に妙に輝かしい光がある場所を見つけた

何故だろうか本能が全力でそこに駆け抜けろと言っていた、理由はわからないが何故かそこに行けば助かると思った、

思いっきり走る人生でこんなに早く走った事が無いくらい必死にそこにかけて




★★★★★




50m付近になり人が見えた、助かる思った


「助けくだい!!!お願いします!!!このオオカミに追いかけられていて!!」


震えそうな足をなんとか気合いを入れて力を入れる、そして駆け抜ける、微かの希望が目の前にあるそう感じた時無我夢中だった、後ろを振り向く暇はないがオオカミにはすぐそばにいるはず、それでも走った全力で


ようやくその人が居る場所に駆け抜けた


「おおぉこれは珍しいのぉ、この森に人間が来るとはのぅ、、、」


「だ助けてぐだい!!はぁはぁ」


息も切れその場で膝を折る、その人は俺の顔を見て何か驚いたような顔をした

後ろで唸り声を上げるオオカミはその人に威嚇をしながら後退りをしている、心なしか怯えている様に見える


「人間よこれは貸しだぞ、無償で助けるほど妾はお人好しでは無いぞのぉ」


「はぁはぁはぁ、お、お願いしまッす!俺に出来る事なら何でもしますので!」


「その言葉忘れな様にのぉ」


「さて低俗の魔物が我が領域近づくとはのぅ、消えてしまいなさいな」




そう言いながら地面から太い根のような物が一瞬で生えていた、見ればその人の周りから何かが発光していたいるのが分かる、何かはわからないが凄い力が動いている

根はそのオオカミを一瞬にして締め上げた、そして根はオオカミ締め殺し一瞬で絶命した、


な、なんなんだこれは

俺はその光景を見て呆ける、まるで魔法の様な事が目の前で起きていた呆けるなと言われる方が難しい、これは現実なのか?

少し嫌な仮説が頭にちらつく、いややめよう今はやめよう



「はぁはぁはた、助かりました!ありがとございます!」


そういえば何故だかさっきの光景を見た事がある様な気がした、ゲームや漫画で見た光景だろうか


だがすぐにアストレアと言う知らない記憶かと思いすぐに考えるのはやめた


「そこまでお願いされたらのぅ、見殺しはできないさねぇ」


俺は礼を言いながら助けてくれた人物を見る

その人は女性で人生で初めて見たぐらいの美しい人だ髪の毛が肩まで伸びていて色が琥珀色で現実で見た事が無い髪色で美しかった、そして露出度が高めの服を身にまといその豊満の胸は谷間が見える、背は高く170cmぐらいありそうだ、俺は17歳と言う歳で身長165cmぐらいしかないので自然と目線が上がる


だが助けてくれた恩人で凄く美人なのにこの人から物凄い圧というか凄いものを感じ少し萎縮する

それはそうかあんな化け物じみた事をしたのだからビビるのは仕方がない、


「改めてありがとうございます、俺はテンヤと言います!あのここって何処ですかね、俺気がついたら知らない場所に居まして、森を出ようとしたらあのオオカミに襲われてしまって」


「なるほどのぉ、気がついたらこの森とはなんとも奇妙な出来事よのぅ、この森は迷い森といってのぅ一度入ったら戻って来れない森じゃぞ」


「え?入ったら出れない?そんなのあるですか?聞いた事ないですよそんなの」


そ、そんなの聞いた事がない日本にそんなの所があるなんて聞いた事が海外だったらあるかも知らないがそんなの所に寝て起きたらいたなんてたまったもんじゃない、


「妾は、今の人間世界がどうなっておるのか知らないからのぅそんな事を言われてもしょうがいないとしか言いようが無いのぅ」


「そ、そんな、だったらどうすればいいんですか?もしかして貴方も迷い込んだ感じですか?」


少し嫌な仮説がが頭によぎるが余りにも浮世離れし過ぎていて切り捨てる、可能性が上がって来たが


「ん?妾が?フフフッ面白い事を言うのなぁ人間いやテンヤ、だがこの森を抜け出す方法も在らんこともないぞ?」


「そ、それは何ですか?」


「先ほどの貸しを今使おうじゃないか、この妾!!森の大精霊ルージュに主従契約を結ぶことじゃ!そしたら特別に抜け出してやるぞ」


「大精霊、、、」


何やらファンタジーじみている言葉がいっぱい出ているが

アストレアと言う知らない記憶が頭の片隅に出てきて少しずつ確信に変わっていく、それはこの状況を一言で片づけ終わる言葉それは、、、


「異世界転移ってやつか?、、、」


異世界転移、漫画やアニメの設定などでよく見るファンタジー設定、それが今俺に起こっているのなら大体が説明つく

だが一つだけ分からない何故俺はこのアストレアと言う記憶を持っているのか分からない


「まぁと言うかのぅ、拒否権なんかないから契約を結ぶしかないぞテンヤよ」


何故転移したのか、何故知らない記憶が流れ込んできたのかわからない事だらけだ、だがまずはこの森を出なきゃいかない、どうする?と言うかこの大精霊は拒否権はないと言う、正直主従契約とか文字を見ると嫌な予感しかしたない


「わかりました、、、」

半強制的によくわからん主従契約させられるけど、もう選択肢がないのでこれしかない



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

異世界をどう生きようか やんけ @KENNKN

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ