13 色欲=純潔

「……お姉さま…」


大きな溜め息を零した一人の女性。

そんな彼女を…。私の大事なお友達を見て、私の心がプルプルと震える。

……一体、なにがあったのかしら…?


『――…ホシイ……欲しい…!』

「!」


静からの動。

突然の大きな声にビクッと驚いてしまう。

でもお姉さまの挙動はそれだけで、それ以降は眠ったかの様に動きが止まる。


「……ほ、ほしい…?」


あれは、一体どういう意味なの…?

ほしい…ほしい……”欲しい”…?


〔”お姉さまは、なにを欲しがってるのかしら?”〕


何でも兼ね備えた、完璧なお姉さま…。そんなお姉さまが欲しがる物なんて、この世に何一つ無いと思うけど…――。


「……! あ、あれは…――」


そんな時見付けたのは、お姉さまの”不自然な挙動”。

彼女は石造の様に固まりながらも左の指先をユラユラと揺らしてる。

……以前にもこの挙動を見た事があって、その時お姉さま自身が言っていたのは、


〔”興奮してる時によくする行動だと”〕


「……」


興奮、してるって……一体なにに興奮してるのかしら…。

妖艶な見た目と艶めかしい雰囲気を纏ってるお姉さまだけど、その実”処女”なのよね。この方は。

だから幾ら清廉な精神と見た目を持っていても、通常の人よりかは「性欲」が強い。まあ我慢強いからか自他共に手出ししてないけど。


「……お、お姉さま~…?」


〔”出来る事なら、お姉さまには純潔のままで居てほしいわね”〕

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