7 怠惰

――……眠い…。


「……起きるの面倒だなぁ…」


起きるのも面倒…。

ついでに目を開けるのも面倒だし、口を開けるのも面倒…。


〔”何なら息をするのも…。呼吸するのも面倒だなぁ”〕


……でも息をしないと、人間は生きていけない。

まだ死にたくないし、二回も「死」を経験したくないからちゃんと息はするぅ。


「……はぁ~…。でもやっぱり面倒だよねぇ…」


吸って吐いて…。吸って吐いて…。

……それを繰り返すのが段々と面倒に感じ、段々と開いていた口が閉じようとしてくる。


「ぁ…む……」


まるで口だけが自分のモノではないかの様に、ゆっくり…。ゆ~っくりと、オラの口は閉じた。


「……」


〔”若干、苦しい…”〕


口を閉じても、鼻は開いてるから呼吸は出来る。

でも少しだけ風邪気味なのか、鼻の通りが悪い気がする…。


「……鼻詰まりで死んじゃったって、一番カッコ悪い死に方だよね…」


なんて思うけど、よくよく考えたら「無呼吸症候群」なんてモノがあるんだし、特段おかしくもないか。

――まあ。


〔”若い女子がソレで死んだら周りの笑い者だろうけどねぇ”〕

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る