5 色欲

「――…美が、足りない……」


潤いに満ちた、〈ワタシ〉の肌…。

傷も無ければ汚れ一つも無く、まさに「完璧」と呼ぶべき”美貌”を持っていると自負している。

――でも。


〔”それでも、ワタシは更なる美が欲しい”〕


「欲深い、って言われるわよね。でもこれだけの美じゃ、全然満足出来ない…」


「満足出来てない」と、ワタシの全身が言っている。

現に近場に居る若い子や、綺麗な肌を持っている女の子を見ると身体が疼くし、心に奇妙なモヤモヤ感が生まれ、絡み付く…。

「もっと欲しい」

「もっと美しくなりたい」

「もっと綺麗になりたい」

……欲深く、強欲過ぎると言われるだろうけど、他人の意見や反応なんかで治まる程ワタシの「全て」は有能ではない。

それこそ「玩具」を欲しがる子供と同じ様に、「美」を求めるワタシは”欲”を止める事が出来なかった。


「ホシイ……欲しい…!」


もっともっと…。

もっともっともっともっともっともっと――…。

例え欲を求め過ぎて、神様から罰が下っても…――ワタシは「美」を求める事を止めない。止める事が出来ないでしょう。

だから、誰か教えてほしい…。


〔”ワタシに、更なる美しさを”〕

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