1 傲慢

――…〈オレ〉は6歳ぐらいの…それぐらいの小さい頃から”こう”思っていた。

「自分は、他人よりも優位に立っている」と。

そしてオレは”こう”とも思っていた。

「オレの方が他の人よりも優秀なんだから、皆んなはオレに従っていればいい」と。


「……ほんと、なにがしたかったのよ…。オレは」


ナニがしたかったのか?

ナニをする為にあんな事をしてたのか?


〔”何故あんな酷い事を、平然としてたのか?”〕


……今更ではあるけど、我ながら最低な事をしてたものよね。

自分以外の人間…。他人を同じ位置から見下し、嫌がる彼女達を無理矢理従わせてきたんだから。


〔”オレという人間は”〕


「……後悔、するのは遅過ぎよね…」


今になって気が付き、「後悔」の念を感じても遅過ぎる。「時既に遅し」というものだろう。


〔”それに今更後悔したところで一体ナニになる?”〕


オレの周り…。

オレを取り囲んでくれていた人達はとっくに姿を失くし、オレの近くにはもはや誰も居ない。


〔”完全な孤独状態”〕


……自業自得、でしかないけどね。

――でも。


「……寂しい、なぁ…」


……本当に自分勝手よね。

あんだけの非道を繰り返してきたのに……一体オレの口はなにを言ってるのよ…。


「これは……罰、よね。きっと」


罰なら背負わなければいけない。

例えこの地球上に、自分一人しかいなくても。


〔”皆んなの苦痛の分だけ、オレが苦しまなくちゃいけないんだ”〕

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