第8話

 さてどうしようかな~

 まあ絶対にシンヴァレル王国に戻ってはいけないよな~

 そして俺の中のオタクくんが「エルフが見てみたい」と言ってるから、ちょうどシンヴァレル王国から真反対の方向のヴァレッティーナ王国に行ってみるか!

 、、、、、あれ?どの方向が南?

 どうしよう!方向が分かんねえ!

 こっちの世界でも方位磁石って使えるのかな?

 使えないんじゃね?地球はでっかい磁石になってるから使えるけど、ここだと使えるか分かんねえ!まず磁石がないけどな!

 どうしよ~方角が分かんないのが一番きつい!

『フィールドサーチ』で分からないかな?

 でもどうやって?って話しやもんな~

 よし!適当に方向決めて歩いて、人に会ったら聞いてみるか!



 そして俺はただひたすらに街を目指し、歩いた



「眠たい!」


 あと少しで森を抜けることができるところに着いた時にはもう辺りは真っ暗だった。

 ぶっ続けで歩くのはしんどいし、最近寝てないから疲労と眠気がヤバい!

 ちょっとこの木の幹で休もぅ、、、、、




 ♢




「こいつまだ寝てるぞ」

「いったい誰なんだ?」

「身分証明ができるものを一切持っていないぞ」

「おい!早く起きろ!」


「ん~?ふわああぁ~」


「こいつ起きたぞ」

「んで誰なんだこいつは」

「この状況でまだ寝ぼけていられるのか!?」

「おい!お前はいったい何者なんだ?」


「ん~?おれは~ハジメ~・タケウチ~」


「聞いたことない名前だな」

「当たり前だろ」

「逆に知ってたら怖いだろ」

「え?俺知ってるかも?でも何で知ってるのか忘れた」

「何をしに来たんだ?お前は」


「ん~?ヴァレッティーナ王国への~行き方を~教えてもらいに~」


「こいつまだ寝ぼけてやがる」

「冷たい水かけてやれ」

「おら!」


「うわ!冷てえ!」


「目は覚めたか?」


「は?これどういう状況?というかエルフだ~!すげえ!」


 目が覚めたらエルフの衛兵たちに手足縛られて囲まれてるんだけど


「なんだこいつ?そうじゃなくてだな!お前がうちの国の領土で寝てて、怪しいから捕まえたんだ」


「さいですか」


「そしてもう一度聞くがここに何をしに来た?」


「ヴァレッティーナ王国への行き方を教えてもらいに来たんですが、ここが?」


「ヴァレッティーナ王国だ」


「ですよね~だってエルフだもんみんな」


「じゃあ聞き方を変えよう、何をするためにヴァレッティーナ王国へ来た?」


「エルフを見にと、シンヴァレル王国から離れるためですかね?」


「そうか」

「あっ!思い出した!ハジメ・タケウチって極悪非道の殺戮者と悪名高い罪人じゃないですか!」


「は?」


「それは本当か?」

「はい!殺し、盗み、放火などいろいろな罪を問われている罪人です!」


「それはどういうことだ?」


「黙れ罪人!お前は一生その牢屋に入っておけ!」

「でもこの前処刑されたはずですけどね」


「どういうことだよ!」


「では今度あのお方を連れてきて調べてもらおう」

「それがいいと思います」

「だからそれまでおとなしく牢屋に入っておけ!」


「俺そんな罪になることなんかやってないし、ここから出せよ!」


 強引に外そうとしたが、ステータスがすべて0になる鎖がつながれていて、外せなかった。



 どうしていつも俺はこんなにも理不尽な目にあわないといけないんだ?



「全員覚えとけよ

 あとでボコボコにしたる」

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