第12話 初授業終了後
「これから終了のあいさつを行います。まずは早かった班の発表から。一番早かったのは・・・アマデルチーム!」
おおお!!!という歓声とともにボクたちは前のほうに行った。
「まあわたくしにかかればこれくらい当然のことですわ!」
直前までわからないって言ってたのにアマデルらしいな。
次いで二番目、三番目の班も発表された。
「以上で今日の授業はおしまいです。明日からは普通の授業が始まるのでしっかり休んで登校してください」
これで解散になった。
「カナデ、アリア、よろしければこれから今日の反省と今後の課題の確認をいたしませんか」
アマデルの提案でボクたちは学校の図書室に集まった。
図書室には穏やかなピアノの音色が響いている。
たしかこれは集中力上昇の魔法なんだっけ。効果はあるけど眠くなるってことで授業中には使われなかったって先生が言ってたな。
「最初はわたくしから。わたくしは今回のことでまだまだ魔法の腕を上げなければならないと思いましたわ。相手に攻撃されたとき、カナデのように相手を無力化することがわたくしにできるかと言われればまだそこまでの力はありませんですから」
「私もです。私もあの状況で対応できたとは思いません」
「それを言ったら、ボクは2人みたいにもっと知識や状況判断能力を上げていかないとと思ったな。それから魔法を使った後に倒れるのも問題だから、もっと魔力を上げていかないとな」
ボクたちがそれぞれ反省と課題を言うとアマデルは手をたたいた。
「でしたら、わたくしとアリアはカナデの知識の、カナデはわたくしたちの魔法の勉強を手伝うというのはいかがですか?」
たしかにそれぞれの得意不得意を互いに補い合うのはいいかも。
「ボクはそれがいいと思うよ」
「私も賛成です」
「じゃあ決まりですわね。では早速聞きたいのですがカナデはどのようにしてあのような魔法を使っているのですか?」
どのように、か。うーん言葉にすると難しいけど。
「引き起こしたいイメージから音を逆算していく感じかな」
「なるほどたしかにわたくしは今まで使い慣れている音に頼る傾向がありますわね」
「私もそうです。でも今日の授業でアマデルはわたしがよく使うのと同じ音を奏でていましたよね」
「それを言ったらアマデルもでしょう。同じように風を引き起こしていたのでもしかしたら使えるのではと思ったのですが案の定使うことができました」
たしかに授業中アリアはハープの音を、アマデルはフルートの音を奏でていたな。
ということは違う音でも同じイメージなら魔法を奏でることができるのかな。
「じゃあボクからも質問いいかな。座学の勉強ってどうやるの?」
・・・
そんな意外そうな顔をしないでよ。元の世界でも勉強が得意ってわけじゃなかったんだから
「そんなの見て聞いて覚えるだけじゃないですの」
あ、この人天才肌だ。
「そうですねー、勉強したことを自分なりに整理するとかかな」
なるほどねー。
「あとはコツコツとやっていくしかないですね」
「「なるほどー」」
ってアマデルも言うんだ。
「なんにしてもこれでそれぞれの課題が見えてきましたわね。今後もこの班で頑張っていきましょう!」
「はい!」「うん!」
異世界音楽譚 月夜アカツキ @akatsuki0707
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