第十三話(最終話) 幸せな家族と友人たち…それから

今、姉の華龍が来ている。何故だと思いでしょう。私はなんでうちに姉が来たのかさっぱりなのだ。祈織は知ってる感じなんだけどね。そんな事思ってると玄関から呼出音が聞こえた。私は玄関へと向かった…


ピーンポン…


「はいはーい。どなたです…あ、お前か」


「お前かって失礼なっ!」


「龍耶ぁ〜誰が来たの??」


リビングの方から祈織の声が聞こえた。私はそれに棒読みで応えた。


「シラナイヒトダヨー」


「ちょっ!龍耶さん!?私!?リアン・ルーですよ!!」


「知ってる。というか勝手に入ってくるなって」


リアンは私にツッコミを入れつつ勝手に家に入ってきた。いやまぁ勝手にというか勝手ではないけどね。そんなリアンは祈織達に気づいたのか挨拶をした


「祈織〜それとおチビちゃん達おひさ〜♪」フリフリ


「リアンか。おひさ〜」


「リアンおねえちゃん!やった!遊んで遊んで〜♪♪」ピョコピョコ


「おねーたん!」ピョンピョン


「おチビちゃん達しょ〜がないなぁ♪ほれおいで〜おいで〜〜」


「「わ〜い!!!!」」


娘達2人はリアンの顔見る度に遊んでコールした。そんな2人をリアンは親戚の子供達と遊ぶおばさ…お姉さんだ。え?歳変わんないだろうって?リアンうるさいな


「あれ?華龍姉も来てるの?」


「そうよ。何を今更」


「いやだって華龍姉大人しかったからさ」


「ん?華龍姉が大人しい?」


「ほれ、後ろ見てみ??」


リアンは華龍姉に気づき私に聞いてきた。今更気づいたのか。華龍姉は華龍姉でガウを抱きしめながらスヤスヤ眠りについていた。さっきまで起きてたよね?寝るの早くない??


「あー通りで大人しいわけだわ」


「ガウを抱きしめちゃってまぁ〜ふふっ♡」ニコニコッ


祈織がママの顔になってる!いや実際にママだけども!!華龍姉を見る表情が莉愛や志龍を見る表情そのものだ…。まさか自分の姉に自分の妻が自分の娘達を見る同じ表情するとは…華龍姉、恐るべし


「ねえねえ、りゅうママ?かりゅーおねえさまおねんねしちゃったからおそとで遊んだほうがいい?」


「そうね…」


私は莉愛からの言葉に応えようとしたその時、リアンはいつもの悪ノリで私に聞いてきた


「りゅうママぁ〜〜???」


「…リアンは少し黙って」


「りゅうママのいけずぅ〜〜」


リアンが子供達の前でいつもの悪ノリしているのを見てた祈織はいつものと変わらない笑顔なんだけど何故か怖いというオーラを纏いながらリアンを諭した。リアンはこの祈織を知っている。怒らせたらいけないという危機を感じたのか即座に姿勢を正した。


「リアン…莉愛達真似しちゃうからメッだよ?」ニコッ


「は、はい!申し訳ございません!!」ピシッ


「よろしい♪」ニコッ


リアンは久々に怖かったのか私に耳打ちをしてきた。余っ程怖かったのね…分かるよ。そこも含めて可愛いよね祈織


「龍耶、あんたって本当に…」


「なに?」


「物好きよね。幼少期から」


「なによ今更」


「いや改めて思ったのよ今」


「あっそう」


「冷たいなぁ〜」


「そうでもないけど?」


そんな時またもや玄関から呼出音が聞こえた。今日はやたらと客人が多いなぁ…次は誰よ


「なんか呼ばれたんだけど」


志帆だ。志帆は私達の中では比較的大人しい方の人間で常識人でもある。そんな志帆が呼ばれてうちに来たらしい。呼んだ本人は大体見当がつくがとりあえず聞いてみた。


「見当はついてるんだけど聞いていい?」


「いいわよ」


「誰に呼ばれた感じ?」


「あの赤髪のバカ」


「はぁ…やっぱりそうか」


「うん」


「なんか申し訳ないわね。ベリンダとデートの予定じゃなかったの??」


「ベリンダは今、実家に帰ってて私1人だったから」


「そうなの?」


「うん。なんか白蛇様に呼び出しくらったみたいでさ」


「また何かやらかしたのねあの子」


「そうみたい。祈織が聞いたら喜びそうな案件よね」


「確かに…」


祈織は聞き耳を立ててたかのようにこの話に飛びついてきた。ですよね〜〜。こういう話ましてやベリンダの話となるとね


「あの蛇女がどうしたって!?志帆!その話じっくり聞かせて欲しいな♡」ニコニコッ


「いいけど…って何処にいくの!?」


「何処ってリビングだと華龍さん寝てるからわたしと龍耶の部屋!!」


「え?え?龍耶はいいの??見られたくない物とかあるんじゃないの???」


「私?別に大丈夫よ。そういうものは普段から出してないし」


「そ、そうなのね。って祈織、少し落ち着こうね」


「わたしはいつだって冷静よ♪」


「いや…うん。そうだねー」


やっぱりこうなると思ってたわ。うん

志帆がんばれ!!話長くなりそうだけど。志帆は祈織に連行された。さて私はどうしようか…華龍姉の寝顔見てても仕方ないし莉愛と志龍はリアンと遊んでるし読書でもしようかな…とその時またもや玄関から呼出音が聞こえた。本当に今日は客人が多い日だ。


「貴女は……」


「ボクは別の世界線から来たキミだよ」


「はっ…!?」


その瞬間辺り一面、一気に背景が変わった。私達2人しかいない。これはなんなんだろうか……


───────────────────

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「キミに伝えたい事があってね。そう固くならなくていいよ」


「は、はぁ……それで私に伝えたい事とは」


「キミは今、幸せかい?」


「はい。大切な妻もいて娘2人がいて。そしてお互いの家族と友人達がいる。いてくれる。これ程の幸せはない。この世界でこんなに幸せで良いのかと思うぐらいには幸せですね」


「そっか♪それを聞けただけでも嬉しいよ。その幸せをこれからもどうかその気持ちを忘れずにね。何があってもね」ニコッ


「わかりました。貴女もどうかお幸せに。」


「ありがと♪これ以上いると時間と時空に大きいな被害が起きちゃうからボクは行くね。キミに会えて良かったよ…。(これで祈織へ感謝の気持ちを伝えられるから)」


「いいえ!貴女の世界線の祈織へお伝えください!貴女(私)と祈織がいたから今の私達がいると!!」


「あぁ、もちろん伝えるよ!それじゃ」


その瞬間私は眩しい光に包まれた。


───────────────────


リュ…カ……リュウカ……


私を呼ぶ声が聞こえる…この声は祈織の声…??確か私は別の世界線の私と……

その瞬間、私の唇に温かく柔らかいものが当たった。そうそれは…。そして私は目を見開いた


「ぷはぁ…龍耶やっと起きた!!もう心配したんだからね…バカっ」


「祈織、今貴女……」


「呼んでも中々な起きなかったからキスしちゃったよ。それでも起きなかったらもっと深いのしちゃおうかなと…えへへ♡」


「もう…それとありがとうね/////」


「うん♡ねえねえ、りゅうは今幸せ?わたしはね、すごく幸せだよ〜♡♡」ギューッ


はうっ…!祈織さん可愛すぎますって


「りゅうは?」


「私も凄く幸せだよ♡貴女がいて、莉愛と志龍もいてお互いの家族も友人達もいて私も凄くすご〜く幸せよ♡」ギューッ


「そっか♡これからもずっとずーっと幸せでいようね♡」


「えぇ♪これからもずっとずーっと幸せでいましょ♡」


「りあたちも!」


「もちろんだよ♪莉愛も志龍も一緒にね♡」ナデナデ


「「うん!!」」


これは龍神の娘・姫神龍耶とグレイス帝国第一王女祈織・フォン・グレイスが共に滅び数年後に転生し再び巡り逢い、二人の間に子供を授かり共に歩んでいくハートフルな愛と絆の物語。今でも何処かでドラゴンファミリーは幸せに暮らしてるであろう。そんなドラゴンファミリーの幸せをボク達は遠く離れてるこの場所で温かく見守っていよう。また出会うその日まで……




龍の娘とワガママお姫様第二部・完

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龍の娘とワガママお姫様 第二部【りゅうひめ】 銀龍 @nao_1988

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