第九話 現・聖霊魔族の王と新生ドラゴン

「こーるおばあさま!ぐらすおばあさま!」


「久しぶり。コールお母様、グラスお母様。」


「莉愛、祈織!待ってたわよ〜♪」


「おや?龍耶と志龍は??」


「あー龍耶と志龍は……」


「ん??」


───────────────────

遡る事数分前……


「なんで私が……」


「頼む!聖霊魔族の現・龍神様にしか出来ない事なの。だからお願い!龍耶!!」


「はぁ……」


「龍様…だめですか?」


「うっ…し、仕方ないですね」


私は何故かシャーロット様とリアンに呼ばれて(半強制的に)今、中庭にいる。話によると何も言う事を聞いてくれない聖霊魔族のドラゴンがいると…。そのドラゴンは生まれてまだ幼いドラゴンだそうで例え王家の人間だとしても聞く耳を持たないという事だ。王家に仕えるドラゴンは年に何回かとある場所で生まれるらしい。そのドラゴンは龍神様の言う事なら聞くとコール様とグラス様から聞いたとシャーロット様が言っていた。


「その代わりにリアン。志龍抱っこしててくれない?志龍にはまだ早いと思うから」


「はいはーい。志龍ちゃん、お姉さん達と一緒にいようね♪」


「えーーー」


「がーん……」


志龍をリアン達に預けようとしてリアンが志龍に言葉をかけた瞬間、志龍はリアンを見て不満を口に出した。リアン…あなた、志龍に何したのよ。はぁ…仕方ない。私が志龍に今からやる事伝えるから


「志龍?りゅうママちょっとお仕事するからいい子で待っててくれるかな?」


「うん!」


「志龍いい子だね♪」(ナデナデ)


「えへへ♡」


「という事だからリアン。よろしくね。シャーロット様もよろしくお願いします」


「わかりましたわ。龍様」(ニコッ)


志龍を諭しリアンとシャーロット様に預け、私はそのドラゴンへと歩み寄り、ドラゴンの頭に魔法陣を展開し自分が聖霊魔族の王であると言うことを告げた。そのドラゴンは私の魔力を感じ取ったのか大人しくなり私を見上げる様にこちらを向いていた。聖霊魔族の遺伝子だろうか…忠誠を誓うような姿勢になった。先程よりも少し大人っぽくなり。そのドラゴンはこう告げた…


「この度は城に来て頂きありがとうございます。龍神様にご無礼を申したことをお許し下さい」


「いや私は偶然ここに来ただけだから。それに無礼をしたと思うならこの2人に言ってあげて」


私はそのドラゴンにシャーロット様とリアンの事を告げた。ドラゴンはシャーロット様とリアンに頭を下げたと同時に志龍を見た瞬間心臓を射抜かれた様に見ていた…あ、これ。私とガウの時のやつと同じだ。つまり運命的な出会いをしたのだ。気づいてはいたけどまさか志龍がね……。


「龍様?もしよければこの子を龍様の元で育てて頂けないでしょうか?この子は元々聖霊魔族の子ですしやはり戻るべき場所にいるべきかと」


シャーロット様はそのドラゴンと志龍のなんとも言えない衝撃を受けたのだろう。流石グレイス帝国・現女王陛下だ。


「シャーロット様も感じたみたいですね。シャーロット様の言う通り、戻るべき場所に戻した方がいいですね。というか志龍とあのドラゴン2人が出会ってしまったのか魔力がシンクロして並ならぬ力を感じますし」


「やはりそうですのね。志龍ちゃんが来るのを待っていた感じですから」


シャーロット様流石すぎます。ふと横を見たら当の本人と1匹は仲良さそうにしていた。ほんと私がガウと初めて会った時みたいで自然と笑みが溢れた。ふふっ


「龍様、楽しそうですね♪」(ニコッ)


「わかります?なんか私とガウが初めて会った時の事を思い出しちゃって」


「そうなんですね。祈織お姉様から聞いてはいたけどこんな感じだったのと。あの時はこの場所だったらしくて」


「そうなんです。まさにこの場所であのちびドラゴンと出会ったんですよ。今じゃ凄く頼り甲斐がある使い魔として家族の一員として」


「そうなんですのね♪ふふっ」


「えぇ♪」(ニコニコ)


私とシャーロット様は私とガウの運命的な出会いの話をしていた。それを見てたリアンは


「用事は終わったし龍耶、祈織達の所に行かなくていいの??」


「あ!そうだ!!祈織達の所に行かないと!志龍、祈織ママと莉愛お姉ちゃんの所に行こうね♪その子も連れて」


「うん!おねーしゃんばいば〜い」


「それじゃシャーロット様、リアン。また後でね」


「はい。龍様また後ほど」


「またね♪」


志龍はシャーロット様とリアンに笑顔で手を振った。私はシャーロット様とリアンに伝え祈織達の所に向かった。新たな家族になった生まれたばかりの1匹のドラゴンを連れて

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