第八話 龍の子たちと女王陛下

「わぁ〜い!おしろ♪おしろ♪」


「こらこら莉愛、ちゃんと前見て歩かないとダメだよ〜」


「はぁ〜い♪♪」


私達は今グレイス城に向かっている。聖霊魔族の聖域(サンクチュアリ)からは少し遠い。何もコール様とグラス様が会いたいとの事だ。それに現女王陛下のシャーロット様も会いたいと言ってきたので私達はご好意に甘えて今向かっている途中だ。その中、莉愛はグレイス城に行くのが初めてなのかウキウキ気分でいて所々危ないのを祈織に諭されていた。そしてちゃんと守る莉愛である。良い子だ

因みに莉愛の生まれた場所はグレイス城の祈織の部屋なんだけどね


「ね!りゅうママ!ママはどんなおひめさまだったの??」


「ん?祈織ママの事??」


「そ!ママはおひめさまでもやさしかったの?」


「そうね…お姫様だった時の祈織ママは莉愛みたいに元気なお姫様だったかな??」


「そうなんだ!やっぱりママはおひめさまでもやさしかったんだね♪」


私は莉愛にお姫様だった時の祈織がどんな感じだったのか聞かれたので答えた。満足したのか莉愛は前に向き直し笑顔で鼻歌を歌いながらまた歩き出した。それを聞いてた祈織は…


「りゅう、恥ずかしいよ…//////」


「その呼び方……懐かしいね」(ニコッ)


「え?いやっ!これはその…/////ばか龍耶!!」


「ふふっ」


祈織は恥ずかしさのあまり少し取り乱していた。そんな様子を少し離れた所で我が娘の莉愛がニコニコしながら見ていた。


「ママたちなかよしさんだね♪ガウちゃん」


「がうがう〜♪♪(そうだね♪♪)」


こっちを見ながら莉愛とガウが何かお話してるみたいだ。しかも仲良さそうに…そんな1人と1匹の後ろに見知った人影が現れた…


「龍様〜!祈織お姉様〜!」


「シャーロット様!!お1人で来たらダメじゃないですか!!」


女王陛下…もとい祈織の2番目の妹であるシャーロット様だ。ふと私は周りを見渡したが近くに護衛がいない事に気づいた。そんな私はシャーロット様に駆け寄った。私達をいち早く迎え入れる為にお忍びに来たという事か…。お姫様だった時の祈織を思い出す。


「はじめまして、じょうおうへいか。ひめがみりあともうします。よろしくお願いします」


シャーロット様の元に来た莉愛がスカートをたくし上げて自己紹介をした。よくできた娘だ。流石私と祈織の子だね♪それを見たシャーロット様は…。


「まぁまぁまぁまぁ〜〜♡♡素晴らしいお子様ですわ!こちらこそよろしくお願いしますね莉愛ちゃん♡」


「じょうおうへいか〜くるしいですぅ」


シャーロット様は嬉しさのあまり莉愛を抱きしめた。お気に召したみたいで


「あら!ごめんなさい…!大丈夫??」


「うん!だいじょーぶ!!」(ピース)


「良かったぁ〜」


シャーロット様は相変わらずですね。それを見てた志龍は私の腕の中から抜け出そうしてる。シャーロット様のところに行きたいのだろうか?まぁお姉ちゃん(莉愛)見てたら自分もってなるのは姉妹としては当然か…。私は中腰になり志龍を降ろした。その瞬間、周りに目もくれずシャーロット様へ駆け寄った。シャーロット様は志龍に気づき笑顔で両手を広げて志龍を抱きとめた。


「志龍ちゃんでしたっけ?よしよし〜♪」(ナデナデ)


「〜〜♪♪」


志龍はシャーロット様に優しく頭を撫でられて気持ち良さそうにしていた。満面の笑みで幸せそうな志龍。見てるこっちも自然と笑みがこぼれた


「シャーロットさまぁ〜!あっ!いたいた。急に居なくなるから探した…って龍耶と祈織じゃん!ここで何してんの??城に何か用だったり??」


ふと聞こえた声の正体は…私と祈織の幼馴染でシャーロット様の妻であるリアン・ルーだ。シャーロット様が急に城を抜け出したと聞いて探しに来たらしい。祈織の専属メイドのリザを思い出しちゃったよ。祈織がよく城を抜け出してリザが探しに来てたし。リアンは私達が此処にいるのが不思議なのか聞いてきたので私はリアンに説明した


「シャーロット様にお呼ばれしたから来たのよ。それとついでに祈織がコール様とグラス様に会いたいって言ったから」


「なるほどね。それでそこにいるアンタ達に超似てる二人はもしかしてアンタ達の子?」


「そうだけど?私と祈織の子供じゃなかったら誰の子よ」


「いやまぁそうよね」


「全く。リアンは変わらないわね」


「それは褒めてるの?貶してるの??」


「両方かな」


「相変わらず辛辣ぅ〜〜〜」


「親友だし??」


「なんでそこ疑問符なの!?」


「リアンだから?」


「答えになってな〜〜い」


私はリアンと久々にバカなやり取りをした。お互いこれの距離感が心地良いのだ。


「それで祈織お姉様。お母様達に会いに来た理由とは?」


「えぇ。久々にお母様達の顔が見たいのとこの子達二人をお母様達に会わせたくてね。お母様達も久々に孫達の顔見たいだろうからね♡」(ニコニコ)


「そうですわね♪」(ニコニコ)


私とリアンがバカなやり取りをやってる横で祈織とシャーロット様は姉妹仲良く会話に花を咲かせていた。この後、私達はコール様とグラス様に会いにグレイス城の中に入っていった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る