第七話 白蛇様と龍の子たち

「やあ♪」


「バイス様…神出鬼没ですね」


「いやぁ〜なんか面白そうな声が聞こえたから来ちゃった♡」(ニコッ)


「来ちゃった♡じゃないですよ。なんですか…てか、この状況を見て面白そうって」


全くこの人は突如現れる神出鬼没な方だ。聖霊魔族の聖域(サンクチュアリ)にある1ヶ所にうちの家があるから仕方ないが……


「ほんとキミ達面白くて見てて飽きないね」


「バイス様お久しぶりです♪」


「うん。久しぶりだね華龍。キミも王家の姫様と結婚したみたいだね。キミ達姉妹は本当に凄いね。色々とな」


「そんな事ないですよ〜♪あ、りゅうちゃんはめちゃくちゃ凄い子ですけどね♡」


「それは同意だね!龍耶は本当に凄いし自慢の姪っ子だよ♪♪もちろん華龍。キミもね」(ウィンク)


「龍耶、バイス様に相当気に入られてるよね。流石というかなんて言うか…」


「あ…ははは…はぁ〜…」


私は祈織の言葉と共に乾いた笑いと深い溜息が出た。そんな私を可愛らしい眼でこちらを心配そうに見てきた愛しい愛娘2人が居た。


「りゅうママ?だいじょーぶ??なでなでする??」


「まま?なでなで??」


つぶらな瞳でなでなでする?って言われたら…りゅうママ泣いちゃうよ?可愛いお姫様達よ。そんな時…私のすぐ後ろから声が聞こえ……ってバイス様!遮らないでください!


「おぉ〜!?推しカプ(龍祈)の娘達!!!大きくなったね!おいで♡」(ニコニコ)


「ばいすさま!!」


「ばーすー!!!」


トテトテ……


可愛いお姫様達は…バイス様へと走り寄った。うん。知ってた…。バイス様大好きだもんねキミ達…寂しくなんかないもん。ぐすんっ


「あはははっ♪相変わらず元気だね♪やっぱり子供は元気でやんちゃな子がいいね♡ほ〜れ。抱っこだぞ〜♪♪」


「わぁ〜い♪ばいすさまだ〜いすき♡」(ニコニコ)


「すき〜♡」(ニコニコ)


「私もキミ達が大好きだよ♡」(ニコッ)


「ばいすさまぁ〜♡」(キュン)


これこれ、バイス様。2歳児をキュンキュンさせないでください。これだから聖霊魔族は…いや、姫神家の血だなこれは。


「ところでバイス様?」


「ん?どうした祈織よ。私に惚れたか?」


「いやそれは無いです。龍耶一筋なので」(ニコッ)


「そう来なくちゃなっ♪」


流石我が嫁…愛してるよ祈織。そしてバイス様は通常運転ですね


「それで祈織よ。バイスに何か聞きたかったんじゃないのか?」


近くにいた愛龍母さんが祈織に助け舟を出した。流石だよ愛龍母さん


「そうでした!バイス様。あの蛇おん…ベリンダは一緒じゃないんですか?」


「あぁ、ベリンダは志帆とデート中だ」


「ほ〜ん…あの蛇女がね…。ふ〜んなるほどね〜〜」


「まぁベリンダもずっと私に愛向けててもだし良い傾向だと思うよ。私は私で祈織一筋だしベリンダはベリンダで志帆と結婚する予定だからね」


「りゅうか…わたし嬉しい♡それと蛇女と志帆まだ結婚してなかったんだ」


「そうだけど?あれ…?聞いてなかったの??」


「全然聞いてないよ?」


「まじかぁ……」


そういや話して無かったっけ…まぁ〖こっちの世界〗ではあの2人は結婚してないから仕方ないし祈織との接点もあまりないしな。特にベリンダは。転生する前の世界(全て滅んだ世界)ではめちゃくちゃ接点があったけど


「とりあえず!蛇女は志帆とデート中ね!」


「なんだかんだ言って祈織と我が娘・ベリンダは仲が良いね〜」(ニコニコ)


「そんな事ないですバイス様!蛇女とはライバルみたいな…いやいつまでもライバルですから!」(フンスッ)


あぁ…可愛いよ祈織。大好き愛してる。私はそんな事思いながら眺めていた。バイス様に抱っこされたままの娘達はいつの間にか眠っていた。幸せそうな寝顔でスヤスヤと夢の世界へと……

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