第六話 龍一族と王家と

「いらっしゃい。愛龍母さん、シオン母さん。」


「あ!めりゅーおばあさま!シオンおばあさま!」


「おー莉愛かぁ〜また一段の大きくなったのぅ。かっかっかっ!!ほ〜れなでなで〜〜」


「わぁ〜い♪えへへ♡」


今日は愛龍母さんとシオン母さんが家に遊びに来た。孫達の顔が見たいからとの事で。


「そう言えば...りゅう。しーちゃんと祈織は?」


「志龍と祈織は子供部屋にいるよ。丁度お昼寝の時間だから祈織が志龍を寝かしつけてる」


「そうなのね。お母さん、祈織の所に行ってくるから愛龍様に伝えておいてね」(ニコッ)


「わかった。子供部屋の扉少し開けてあるから分かると思うよ」


「ありがとう♪」


「うん。祈織と話したい事があると思うだろうからさ」


私と祈織が結婚する前からシオン母さんは祈織と仲が良い。本人曰く、祈織は自分の若い時に似てると…ふむ。愛龍母さんやグラス様、コール様に聞いてたけど確かに重なる部分がある。男は母親に似た女性を好きになるとは言うけど本当にそうだと思う。私は女だけどな。私はそんな事に内心セルフツッコミしながらも愛龍母さんにシオン母さんの事を伝えた


「愛龍母さん。シオン母さんは祈織と志龍のところに居るって」


「あぁ、了解した。ほれ龍耶もこっち来て話そうではないか」


「うん。そういえば華龍姉は??」


私はふとある人物がいないことを聞いた。そういえば華龍姉がいない。いつもなら「りゅうちゃ〜ん♡」って来るのに今日は来てないなと…あの妹大好きな姉がいないのは珍しい。


「華龍か…あやつはそろそろ来る頃だと思うぞ。メアも連れて」


「なるほどね」


そういや華龍姉ってメア様と結婚したんだっけ。いやしかし姫神家とグレイス家は深い関わりがあるのは知ってたけどここまで深いとは……


「うむ!なんだ?久々に姉に会いたくなったのか??」


「いやそうじゃないけど。妹大好きなあのバカ姉がいないのが珍しいなぁって」


「龍耶は相変わらず華龍に厳しいのぅ」


「華龍姉嫌いじゃないんだけどね」


その時、後ろから何やら騒がしい声が聞こえた…そう。その声の本人とは


「りゅうちゃ〜ん♡嫌いじゃないのね!良かったぁ〜〜〜」ギュッ


「…華龍姉。相変わらず元気だね。それと離れて。メア様がこっち睨んでるから」


「そんな事言わずにほらほらぁ〜〜♡♡」


「顔に胸押し付けてこないで。祈織以外に興味無ぃ……」


私は更に後ろから冷たい空気を解き放ってる何かを感じた…この冷たい空気は………


「華龍お義姉様ご機嫌麗しゅう。それとわたしの妻から離れてくださいます?」(ニコニコ)


「ええ〜〜家族水入らずなのに〜〜〜」


「りゅう、祈織がいるのだから華龍とそういうのは……」


「な、なんでそうなるの!?」


いやいやいやこれは誤解というか!!実の姉に邪な気持ち1度も抱いた事ないんですけど!?シオン母さんは天然なのか冗談なのか分からないしッッ!!!!


「龍耶よ。莉愛と志龍も見てるのも忘れたらダメだぞ」


「龍耶様とて華龍様とその様な関係になるのは許すまじ…ぐぬぬぬ」


「龍耶は後でお仕置するから良いとして……」


いや…祈織さん誤解ですって!聞いてます??ねえ、祈織さん!!祈織さーーん!!!



「だから誤解だってばァァァァァァァァァ」



そんな私はいつの間にか声を大にして叫んでいた。その声はある人の耳にも届いた…おっとこのお話は後々お話しよう。

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