第7話『プラネタリウム~悩みの渦~』

小学4年生の子どもの校外学習。

行き先は、科学館。

電車と歩いて1時間程の場所。

子どもは、科学的な物には興味がある。

暑くても寒くても頭が痛くなる子ども。

11月末だが、室内なので寒くて頭が痛くなることも少ないかもしれない。

友達や先生と過ごせるチャンスは逃したくないと色々考え参加することを予定に入れる。

1ヶ月前から私の仕事の変更をし、動ける状態にした。

事前には保健室の先生と担任の先生と打ち合わせをした。

科学館でできるだけ頭痛が少なく、みんなと楽しく過ごせるように

現地集合、現地解散にしてもらった。


さて、郊外学習、当日。

問題発生。

上の中学1年生の子どもは、期末試験3日目。

調子が悪くて学校に行けないとうつ伏せになって起き上がらない。

小学生の子を郊外学習に連れて行く予定時間が迫ってくる。

焦る私は、中学生の子に強い口調で話す。

余計、子どもは萎縮していく。


すると、

「しんどいの?大丈夫?」

と下の3歳の子が優しく声かけ心配している。

その様子を見て、はっとする私。

しんどい中学生の子の心配より、

期末テストを受けさせることや郊外学習のことで頭がいっぱいだ。

ひとまず、3歳の子を保育所に送って、

次に、中学校に行き、別室でのテストの相談してみよう。

と、考え直してみる。

だが、第2の問題発生。

今度は、3歳の子のいきしぶり。

なんとなく、私が出かけるのを感じているかもしれない。

なんとか、なだめ3歳の子は保育所へ。

保育所近くの中学校で別室のテストの相談。

急いで家に帰って来て、別室でのテストができることを中学生の子に伝えるが、

「今日は、無理…」と、答える。


私は、焦れば焦るほど、全てうまくいかなくなることが多い。

考えを整理してみる。

テストを休むと見込み点となるけど仕方ない。

今日はテストを諦めよう。

中学生の子は学校を休んで、家でゆっくりさせる。

そして、私は、小学生の子と校外学習へ。


色々あったが、2人で電車に乗り、待ち合わせの時間に少し遅れ、現地到着。

いつもの子どもの調子を知っている保健室の先生が待っていてくれた。

子どもは先生とみんなと科学館の展示の見学とプラネタリウムの観賞。

私は、しんどい連絡があるまでは待機。

別行動で科学館展示の見学とプラネタリウムの観賞をし、弁当を一人で食べて待っていた。


子どもは、科学館で展示の見学、プラネタリウムの観賞、弁当を食べ終えた。

その後、保健室の先生の連絡が私に入った。

頭痛レベルはMAXになっていた。

みんなより先に電車に乗り、二人で帰宅。

色々しんどくなることが多く、参加が難しい郊外学習。

なんとか、行けてみんなと一緒に過ごせたことが、

本当に良かったと感じた。


3人の子どもの子育て。

それぞれ、その子にとって良いことは何かといつも悩みながら過ごしている。

その悩みの大きな渦に巻き込まれることも多い。

でも、今日、プラネタリウムを見ながら、

宇宙からみると、

宇宙から見た地球、

地球のその中のその中のちっぽけな自分。

そんなことを思っていたら、

今日の悩みも小さく感じたそんな1日だった。


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