第6話『教えてくれたのは君だ!』

音楽の授業。

体調を崩してから、一度入ったことがあるが、周りの子の笛の音で頭痛が増強した。

「頭が痛くてしんどい。」

その一言を周りの子、先生に気を遣って言えなかった。

家に帰ってからもずっと頭痛が続き、1時間泣いていたことがあった。

音楽の授業、特に笛の授業は無理かな?と一度は諦めていた。


しかし、子どもは、笛を吹くのが嫌いではないようだ。

家で一人なら笛を吹くことができた。

夏休みから11月の発表会に向けて、家で少しずつ笛の練習を始めた。

歌も音楽の先生にとってもらったCDを私と家で聞いて一緒に練習した。


発表会の当日。

午後の発表会の時間に合わして一緒に登校。

登校前、家ではわりと調子良さそうだった。

しかし、いざ家を出て保健室に着くと頭痛のレベルがアップしていた。

発表会をする体育館に移動。

同学年の並んでいる中に入る。

一番端っこで真っ白い顔で立っている。

緊張感が私にも伝わってきて、私もドキドキ。

最後までもつか不安でヒヤヒヤ。

子どもは、なんとか頑張って合唱、合奏をやり遂げた。


帰宅後、落ち着いてから話を聞くと、

「合唱、合奏途中、頭痛はMAX位になっていたんや。」と言った。

きっと、自分のためだけでなく、私のためにも頑張ってくれたと感じた。


子供が元気に普通登校していた時、

発表会って出来上がった成果を見るだけだった。

もっと気楽に観覧していた。

しかし、子供が病気になって、みんなと授業を受けること、本当に普通と思っていたことができなくなった。

確かに、できないことは多い。

その中から、少しでもできることを探し、一緒に頑張ってみる。

子どもの頑張る過程も見る、感じる。

そして、当日、更に頑張ってやり遂げた姿を見る。

過程からの成果が繋がっていることを知る、感じることは、達成感をよりいっぱい感じることができる。

それを教えてくれたのは、子どもだ。

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