第17話 ローズと幼馴染
切り立った
「お嬢様、ラルカンスで使う、偽りの身の上話は覚えておられますね?」
「ええ。ネーレンディアの貴族の娘として生まれたものの、両親が事業に失敗し、貴族の身分を失う。幸運なことに、ネーレンディアの
「その通りです。貴族の令嬢として生きてきたお嬢様が、
「ローズは、わたくしの姉という設定だったわね?」
「そうです。ローズとお嬢様は一歳違いの姉妹という筋書きです。…ですが、ローズがお嬢様の姉というのは無理がありそうですよねぇ。お嬢様は
「ローズはディアマンテ
アレグリアはローズを真剣に見つめる。
「
「そうですねぇ。ひょっとしたら幼馴染もこの世界にいるのかも、という淡い期待があるだけですけど。それに、もしこの世界にいるのなら、ローズが早く見つけないと…」
ローズは不安げに
「ローズが前世で亡くなったとき、その幼馴染も一緒だったの?」
「死んだときの記憶は
そう言って笑うローズは無理をしているように見えて、アレグリアは胸が痛くなる。
「ローズが転生してきた以上、幼馴染もこの世界で生きている可能性はあるはずよ。やれるだけのことはしてみましょう。彼も同じくらいの歳で、魔法学園に通っている、なんていう幸運もあるかもしれないわ」
「もし本当に同じ魔法学園にいたら、ありえない幸運ですね」
ローズが笑ったので、アレグリアも嬉しい気分になった。
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