第18話 魔法学者の処刑
途中の宿で
魔法学園に着く前にお昼時になり、ローズは二人分の昼食を買いに、広場で馬車を降りた。
アレグリアが馬車の中から街を見ていると、人々は広場に続々と集まってくるようだった。
「街が
戻ってきたローズに、アレグリアは声をかけた。
「どうやら、今日は魔法学者の
ローズは街で買ってきた新聞を広げながら言う。
「あら、
「国王陛下が
ラルカンスの貴族は魔力の強さを
時には、身分が低くても魔力が強い人間と結婚することもある。
そうまでして魔力を
「この国の貴族にとっては大きな問題ですもの、国王陛下が調査を命じられるのも
「異世界転生です」
「なんですって?」
「魔力を持たない貴族の子供は、この世のものとは思えない
「つまり、ローズの他にも、違う世界で生きた記憶を持って生まれてくる者――転生者がいるということ?」
「そうみたいですね」
「なるほど…。そして、転生者たちには魔力がないという共通点があるということね?魔力のない世界から来た
「魂が他の世界からやって来るということ自体、受け入れがたいんだと思いますよ。ラルカンスの国教では、
「その点はネーレンディアの国教と同じね」
「はい。お嬢様のように、転生をあっさり受け入れてしまう方が、むしろ珍しいのだと思いますよ」
「あら、頼れるお姉さんだと思っていたローズが泣きじゃくりながら、前世や原作の話をしていたんですもの。作り話には到底思えなかったわ」
「あの時は、その、お嬢様が旦那様の秘密の部屋にいらっしゃったことに動揺して…。お嬢様を
赤面するローズを見て、可愛らしいわね、とアレグリアは思うが、口には出さない。
アレグリアを姉のように支えてくれるローズの体面を、守ってあげなくてはいけないからだ。
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