第六話

 やがて「大平和 幸福之助」は「上級国民」や「逮捕を逃れた犯罪者」を表すネットミームとして世間に浸透しました。それは消すことのできない痕跡となったのです。


※ ※ ※


 その頃、幸福之助が一人で暮らす家に小包が届きました。中にはボタンの付いた小箱が入っていました。何の説明書きもありませんでしたが、それを手にした時、幸福之助はそのスイッチを押すとどうなるのか、どうなってしまうのか、なぜだかわかってしまったのです。

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