3.フェス前(隠語)
検査前日。
ここのところほんのりとお腹を壊したり無駄に声を張り上げたりと、実にわかりやすく生理前の煩わしさに悩まされています。
人間の体とは不思議なもので、最初の検査をした二年前から驚くほど定期的に生理が来るようになりました。
それまでは絶望的な生理不順で、半年に一度や一年に一度というペースがざらだったにも関わらず。薬などの治療をしたわけでもないのに。
子宮周辺に何かがあるらしい。
己の内に存在する謎を正すため、他の臓器がフル回転で正常な点を見せつけてくれているのかと勘違いするほど、定期的なペースで女を製造してくれる日々。
人生がひっくり返るかもしれないという大事な時でも、体はお構いなしにルーティンを作ろうとしていて、ありがたいことだと感じています。
事情を説明している何人かから、優しさをもらっていると感じることが増えました。
素知らぬ顔で接してもらうのも、気を遣ってくれるのも、自分のことだけ考えろと叱られるのも、どれもが違う形で明確な優しさで本当に有り難い気持ちでいっぱいです。
こんな時に人から愛されていることを素直に実感するなんて、我ながら天邪鬼ですね。
明日はただの金曜日で、晴れだが雨だかわからないけど多くの人にとって当たり前の平日で、厄介な仕事とか面倒な人間関係とかそういうものの中で起きて食べて寝る、ただのそういう日で。自分にとってもそれはきっと同じで、なんら特別なことなどないはずなのに。
いつ検査結果が出るのかとか、どれくらい時間がかかるのかとか、まるでわからないのが嫌だなぁとか、まだそういうことを漠然と考える余裕があるのはいいことだと思うことにしました。
いかんせん、採血が嫌いです。
倒れたこともあるし、貧血の症状がこれでもかというくらい前面に出てきます。
サボり続けてる区の健康診断をたまたまノリで受けた時も、ものの見事に視界が白くなって管をつけたまま高い椅子から転がり落ちました。
意識、失うっていいよね。ぶつけたとこもあんまり痛くなかったし。
それ以来、検診には行ってないけど。(結果的に駄目人間である)
明日もきっとそのフェーズがあるのだろうなと思うと、ただただ気が重いです。
医療がもっと進歩したら、念じるだけで体から必要な血液が取り外せるようにならないでしょうか。パコっと。まだ無理か。無理かぁ……。人類がんばれよ。お前が頑張れ。はい。
こんな感じで、日々情緒ジェットコースターです。
今この瞬間息をしていることを、褒めていきたい2024。まだ始まったばかりなのに、有力候補ノミネートすぎる。とんだ一年の始まりだぜ。
今日までほんのり書いて来た日記めいたこの文章は、検査結果によっては一生外に出さない日記となる予定です。
そうなって欲しいと、今は願っています。
ほんのりとSNSで漏らしている分、心配をかけている遠い友人たちにいざという時に理由を説明しておけるようにしておこうと思ってこの日記めいたものを書き始めました。
けれど、それ以外にも効力を発揮している部分があると感じています。
こうすることで、結局は自分を慰めているつもりなのだと思います。
こんなことでしか、己をコントロールできない人間に育ってしまいました。
不器用ここに極まれり。許してもらえたら嬉しいです。
今日はお昼に、生姜玉子あんかけうどんなるものを食べちゃおうと思います。
なんなら、ご飯も入れちゃいます。
体が生きてることを、今はひどく思い知りたい気分なのです。
血となり肉となれ。いただきます。
追記:希望は淡く露と消え、これを公開すると決めました。
改めて、心配してくれた友人たちに、そしてこの文章を読んでくれたすべての人に、心からの感謝を。
ありがとうございます。頑張ります。
引き続き、ゆるくお付き合いいただけると幸いです。
(続)
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