第5話 嘲笑されたロマンス
虹鱒太郎は子だくさんだ。
長男のローレンスはケンブリッジ大学でアメフトに励み、長女のパトリシアはイーロン・マスクの右腕だ。
次男のブリザードマンは怒ると雪嵐を巻き起こし、次女のコレミンテンはトルクメニスタンがどこにあるか知らない。
三男のトムソンガゼルはアフリカでネコ科の肉食動物に襲われているし、三女のバランタインはワンピースの最終回を知っている。
今、ブリザードマンが父親に恋人を紹介にやってきたとこである。
「親父、紹介しよう。恋人のマリオジッチ=セモタレスカンだ」
ところが虹鱒太郎、ちょうど山頂から落ちてきたみかんの皮をキャッチしそこねて、マリオジッチの頭にみかんの皮がポテンと落っこちた。
虹鱒太郎は感情を隠さない男である。容赦なくゲラゲラ笑った。ブリザードマンが腹を立てるのも無理はない。
北の空に暗雲が立ち込めたかと思うと、たちまち強風が吹き荒れた。ブリザードマンがブリザードを呼んだのである!
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