第7話 こたつの精霊

 こたつの精霊はいつもこたつに入る人に小さな幸せをプレゼントするのを目的としている。

 しかしこたつというオーパーツの前に精霊も人類も行動が緩みがちである。

「そもそも人類にこたつは早すぎたです!」

 そう真顔で語るのは床暖房オンドルの精霊だ。

「他の暖房器具ではそうはならないですが、こたつに限っては人類のとろけ方が酷いのです!そして恩恵を人類も精霊も与え過ぎてしまうです!」

 確かに小さな幸せを与える精霊の役目を突き抜け、たっぷりうたた寝という恩恵を与えてしまうし、人類も感謝のあまりこたつから出たがらないという悪循環を産み出しているのだという。

 今日も小さな幸せを与えるつもりのこたつの精霊は、気付かぬ内に莫大な幸福を与えてしまうのだ。

 さてこのこたつという精霊達に言わせるとオーパーツな品物、当初はそこまで恐れられる事は無かったという。

すっぽり埋まると中で一酸化炭素中毒になる為、そこまでいつまでも居たいとは思われなかったのらしい。

 しかしこれが電力の精霊達と手を組み出した時に異変が起こった。

 こたつはいつまでも暖かく、そして火を焚かない為潜り込んでも安全な道具になってしまった。

 今更のようにこのオーパーツへの見直しを精霊達は始めているが、近頃は精霊達が自宅のこたつから出たがらないという悪循環に陥っていると言う。

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