第4話 オフィス◯ブ

 この会社で一番大柄な霧島君と、この会社で二番目に大きなエレノア・トリニチェンコが交際に至るまでそこまで長い月日は必要としなかった。

 2人して人の3倍の大きさのお弁当を美味しそうに食べ、真冬なのに2人して汗をボタボタ流しながらダイエットの為に階段を登る。多分ダイエットをしてるのではない。

 この2人にとって汗かき階段を登るのはレジャーの一つなのだろう。現に一つも痩せる気配がない。

 普通4人で入るときつめな資料室は、この二人が入るといっぱいだ。しかし2人は何故か大きさを悪く言われる事はない。

 むしろその大きさが他の皆から見ると可愛らしく見えるようだ。愛されるデブ2人。何だか笑ってしまうが、2人は割とおしゃれさんで、汗も臭くない為、割と人気も高いのだ。

 そんな2人のオフィスラブはかいしやの皆からも見守られ、そしてほっこりされている。

今日も他の人から見たら重箱と見紛うお弁当を食べながら、2人のいちゃラブは微笑ましく進行する。

 2人のそれにオフィスラブなんて言葉は似合わない。

 多くの従業員からは「オフィスデブ」と呼ばれ、嫌みではなく愛されているのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る