第2話 フォークデュオのモゲ子
「おいこらお前!私とフォークデュオでデビューしなさいよ!」
モゲ子がまたむちゃくちゃ言い出した。こいつがいうことは単純にして無茶苦茶だ。そしてそれにきちんとした解答なんか要らない。
「フォークデュオ良いね。でも生憎楽器も作詞作曲も出来ないよね。あー、残念だなー」
僕は大袈裟に残念そうに振る舞った。
「簡単だわよ!まずは歌詞はこれから拾えばよいわ!」
僕の本棚から適当な本を一冊取り出した。
「プラトンの『国家』?」
「ここから適当に抜け出して書けば歌詞は大丈夫よ!」
歌詞が出来たようだ。
ソクラテスは国家の名において処刑された
法の命ずる事柄を『合法的』であり『正しいこと』であると呼ぶようになった
アキレウスは女神の子であり、最も思慮節制に富み、かつゼウスの孫であった
我々が育てて教育していたとき、彼らが自分で経験し自分達の身に起こった事だと思い込んでいた事柄はその全てが夢のような物なのだ
読んでみたモゲ子も意味が分からないようだ。僕に丸投げした。
「早く曲作りなさいよ!」
「あー。楽器無いからなぁ。ごめんねモゲ子」
「有るわよ!早くやりなさいよ!」
と言って僕にカスタネットを、本人はタンバリンを持っている。
しばらく2人してトントンカン!トントンカンとかやって、2人してパーカッションをして遊んでいたら、満足して帰ってくれた。
良かった、歌を歌わなくて。
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