第32話 海賊船


「これで34個目のお宝だ」

 まだあるからやはり取捨選択して行くべきかな?でも必要なものも多いからな。

「次だ、そこから12.14の場所」

『了解』

 

 なんとか107まで回収できたが一個なかった。あいつを仲間にしないといけないか?持ってるのあいつくらいなんだよな。

「カイゼルの船は今どの位置にいる?」

『西の港町に停泊中です』

「よし、ならそこに発進」

『変更確認。発進』

 はぁ、カイゼルかぁ、なかなか大変だぞ。


 西の港町プラージュに降り立った俺たちはそれぞれ思うまま動いた。

 俺に着いてくるのはシャインとハンゾウ、サスケだ。まぁ、いいだろ。

「ご主人様?どこに向かってるの?」

「海賊船があるところ」

「へ?海賊船って言えばあのカイゼルですか?」

 ハンゾウは知ってるみたいだな。

「そうだ。まぁ根はいいやつなんだが」

「お!かわい子ちゃん発見!もしよかったら俺と海賊してみない?」

「きゃー!寄らないで!」

“バチーン”

 ほっぺに紅葉マークがついている。

「まさかあれですか?」

 サスケが聞いてくる。

「まさかのあれだ。女ったらしのカイゼル」

「はぁ。あれはやめましょうよ」

「あいつが持ってるお宝が必要なんだよ」

「じゃあ、お宝だけ貰うのは?」

「それができれば苦労しないよな」

 あいつが持ってる赤の宝玉が必要なんだよ。

「カイゼル!お前赤の宝玉を持ってるか?」

「あ?なんで男のお前におしえなきゃならねぇんだ」

「持ってるのか聞いてるのよ」

「持ってるよ!可愛いね?僕の海賊船に乗らない?」

「やっぱりかよ」

「男は黙ってな!」

“ブォン”と船の錨が飛んでくる。

“ギンっ!”

「とにあぶねーやつだな」

「!…お前なかなかやるなぁ!」

「うっせ!やっぱりお宝だけ寄越せ!」


 “ブォン”

「盗れるものならな!」

「リュウ殿!」

「ここは大丈夫だから下がってて」

「けっ!お前女にモテそうだな?そう言うやつはムカつくんだよ!」

“ブォォン”

「よっと!お前はモテそうにないな!」

「て、てめぇ!」

 くっ!強さは一緒くらいか?俺の方が素早いけどな!

「チェックメイトだ!」

「くっ!」


「なんで行ったのかわからないけどご主人様かっこいいー!」

「リュウ殿」

「リュウ殿すごいぜ」


「ぬぅぅぅぅ!この女ったらしのドスケベが!」

「俺じゃないだろ?それは」

「クソッ!持ってけ!」

 赤の宝玉を渡される。

「いいのか?」

「勝負に負けたんだ、仕方ないだろ」

「お前やっぱ仲間になんねーか?」

「は?なんでお前なんかの仲間になんだよ!」

「俺の船には女の子が結構いるぜ?」

「まじかよ!なるなる!…って俺にも仲間がいるんだ!そう簡単になれねえだろ!」

「それがなれるんだなぁ!降りてこい」

“ズオオォォォォ”

「な、なんだあれは?」

「俺の船だ!海賊船なんてちっぽけだろ?」

「チッ!クソッ!全員連れてくぞ?」

「当たり前だろ?」

「ならなってやるよ!」

「あぁ、よろしくな!」

 握手をして海賊船をファーストシップに回収する。

 

「まってー!俺ってばまだまだヒヨッコなんだよー」

「いやああぁぁぁ!」

「リュウ殿?」

「あぁ、ちょっと早まったかもな」


「して、リュウはどうしたいんじゃ?」

「ん?ガンツどしたの?」

「それは私も思ってた」

「イザナもか、んー。どうしようかなぁ」

「「考えてないのか?」」

「いや、一応は浮遊島を手に入れるまでは考えてるけどさ」

「「浮遊島」」

「それ以降がなにもないからなぁ」

 ダンジョンでも制覇して行くか?

「浮遊島か、いいじゃないか」

「そこならゆっくり出来るだろう」

「え?いいの?」

「浮遊島だぞ?そりゃいいに決まってるだろ!」

「浮遊島なんて人の到達点の一つだろ!」


「あー。まぁそうかぁ」

「ん?なんかあるのか?」

「そうだな、とりあえず浮遊島を攻略するか!」

「「おう」」


 俺はコックピットに座り浮遊島に座標を選択、発進した。


 浮遊島はしたから入って中を通って行かないといけない、中はダンジョンになっており簡単には上にいけないのだ。


「んじゃ、トーマスと海賊の皆さんは残ってくださいねー」

「えぇー!なんでですか?」

「とりあえず足手纏いなんですよ」

「おいおい、もうちょっと誤魔化せよ!」

 カイゼルの一言で火がついた。

「親方?あんまりですぜ?」

「あ?本当のことだろうが?」

「やっちまえ!お前ら!」

「くそ!こんなことになるなんてな」

 カイゼル対百人の海賊達の戦いが幕を上げた。


「ご主人様?ほっといていいんですか?」

「いいんです」

 だってここからは海賊達には厳しいだろうしトーマスは料理人をやっててもらいたいからな。

 上に上がれればファーストシップも上に上げられるからな。


 まぁ。なんとかカイゼルが勝った。

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