第27話 クノイチ


「で?考えてくれたか?」

「あぁ、ついて行く」

「あははは、やりぃ!」

「皆もよろしく頼む」

「あぁ、よろしくな」

 イザナがみんなを代表して言う、

「あ。その刀はやるよ、千本桜って刀だ」

「こ、これはまだ私には」

「使ってやれよ!お前しか刀使えないんだからさ」

 テリーが言う。

「うむ、ワシがメンテナンスをしてやろうかの」

 すっかり刀鍛冶に魅いられたガンツが言う。

 川地流はこれまでの悪事が露見してお取り潰しになった、川地に捕まっていた子供達も助けられたし一件落着だな。

 

「しかし、お前は不思議じゃ?なぜ私のことを知っていたんだ?」

「それは秘密だ」

「なっ!それは酷いぞ!」

「あははは、団子でも食べようや」

「む、団子ならいいか」

 全員で団子屋に行く、テリーとモニカが団子にハマっているらしいので俺は甘酒でも飲むかね。

「リュウ!何だそれ!俺にも!」

「ニャーにも!」

 もうメイアも止めたりはしない、って最初から止めなかったっけ。

「あははは楽しい仲間だなぁ、私も仲間に入っていいのか?」

「「「「「もちろん」」」」」

「そうか!居場所をくれてありがとうリュウ」

「まぁ、居場所なんてどこでも作れるがな」

 こう言うまっすぐな言葉は照れ臭い。


 ジャポネの田舎町からファーストシップに戻った俺たちはビックリするカササギを面白がって、いろんな場所を案内し出したので俺だけ抜ける。次のことも考えないとな。

 コックピットに腰掛ける。

「何をそんなに悩んでるんですか?」

「シャインか、いや悩んでるわけじゃなくてな」

「私はいつも悩んでいますのに?」

「お前は自分の体を安売りするな」

「ご主人様だからです!」

 と怒って帰って行った。

 後で謝らないとな。っとなんでこんなことになってんだよ。

 っと、せっかくジャポネに来てるんだしハンゾウとサスケを仲間に入れるか。

仲直りの印にシャインとカササギ、あとはイザナだな。


 四人で降りたってまた街の中に入って行く、街は江戸時代の街を再現してるだけあって平家が多く、城がでかいな。

 カササギのことでいっぱいだったからあまり観光も出来ていない。

「あ、ご主人様!似合います?」

「あぁ、似合うぞ、買っとこう」

「やった」

 かんざしを買ってやり機嫌をとる。

 俺らも着替えてこの街に馴染んでいるしな。

 さて、

「イザナ、ハンゾウとサスケを探してみてくれるか?」

「たぶんわかるぞ?飲んだくれてるのがハンゾウとサスケだ」

「あぁ、ストーリーが始まってるのか」


 ハンゾウとサスケはこの国1番の忍びだったが、城の城主からの任務を放棄したとして追われる身になってしまった。

 実際は家老の策略で他の任務を遂行していていきなり命を狙われることになった。


 しかし、飲んだくれるとは、

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 サクラ・ハンゾウ  21歳

 レベル80 隠密

 スキル 忍術極 隠密 分身の術 投擲

 ユニーク 光風霽月

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 ツバキ・サスケ  21歳

 レベル78 忍

 スキル 忍術極 隠密 巨大手裏剣の術 投擲

 ユニーク 妖魔転身

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「あーあ、若いねぇちゃんがこんな昼間っから酔っ払ってるなんてな」

「あ?五月蝿い!斬るぞ!」

「できるならやってみな」

「あはははやれやれ!」

 さすが忍びだ隙がないが、俺も負けるわけにはいかないんだよな。

“キンッ”“キンッ”

「あ?飛び道具ばかりか?」

「くっ!」

 下からくるのはわかってるから仰け反り交わして拳を腹に叩きつける。

「ゴブッ!」

「な!ハンゾウ!」

「お前もやるか?」

 ハンゾウを肩に担いでサスケに声をかける。

「やらねぇよ!」

「後さっきチラッと見えたがそれは呪いだな」

「な、なんでそれを!」

「見覚えがあったんでな」

 嘘だ、家老に呪いをかけられている二人を助けられるかが鍵だからな。

「俺の仲間になるなら助けてやるよ」

「だ、だれが「そうしないともう持たないだろ?」…クソ」

「じゃあ、呪いを解いたら仲間になれよ」

「あぁ、わかった」

 渋々と言ったところか、


「かっこよかったです!ご主人様」

「そう?結構やばかったんだけどね」

 もう少し刃が長かったら死んでたもんね。

「さて。呪いを解きに行きますか。


 呪いの方は簡単…とはいかないにしろ成せばなる。

 俺たちは城の地下に入っている。

「きたないですわね!」

「しょうがないさ」

「さぁ見つけた蠱毒だ」

 小さい壺の中にいろんな虫を入れて完成する簡単な呪いだな。

 だが。解くとなるとそれなりに危険なもんだ。

「いくぞ!」“パリン”

 出て来たのは大百足、

「ファイヤーストーム」

「えい!やぁっ!」

「水月!」

「チッ!このっ!」

ファイヤーストームで炙られるとキチュュゥゥと言って下がろうとするが下がれないとわかると前に出てくる。それを三人で押し戻している。

「うおぉぉぉおぉぉぉ!」

 火力最大でファイヤーストームをかけると、ようやく小さなムカデになって死んでしまった。

 人を呪わば穴二つだな。今頃家老に呪いが移ってるはずだ。


 外に出るとハンゾウとサスケが膝をついていた。

「今から親方様に仕えるハンゾウです」

「右に同じく、サスケと言います」

 ハンゾウもサスケもクノイチだ、黒い髪を長く伸ばしているのがハンゾウ、ショートカットにしているのがサスケだ。

「親方さまはやめて欲しいな、リュウでいいよ」

「それは、その」

「俺たち仲間になったんだろ?」

「は、はい」

「だから親方様はやめてリュウでよろしくな」

「「はい」」

 呼び方を変えさせないと第二のシャインが出来上がるからな。

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