第20話 姫騎士シャイン2


「ご主人様に永遠の忠誠を誓う!」

「いや、普通に仲間でいいからな?」

「いえ、私が許せませんから!」

「あー、頑なだなぁ」

 宿には悪いが下がざわついて来た。

「おう!ここに大金儲けた奴がいるって聞いたぜ?」

「さっさと降りてこいよ!」

「それとも引き摺り出してやろうか?ギャハハ」

 3階の窓から飛び降りたのはシャイン。

「この悪党どもめ!我が主人には手を出させない!」

 あー始まった、さっさと降りて行くか。

「んじゃ行くぞ!」

「「「「「おう」」」」にゃ」

 ドタドタと降りて行くとシャインが戦っているので俺とイザナが割って入る!

「シャイン前に出過ぎだ」

「はい!すみません」

「なんだよ!やっと現れたか!ぶち殺してやる」

 観客は大盛り上がりだ。

“ガィン”

「ウオォォォ!」

 テリーが大楯で防ぐのを隙間からメイアが狙い撃つ。

「イデェェェェェェ!」

 左目を負傷したみたいだからアイツらはテリー達に任せよう。

「それ!」

“ジャラララララ”と鎖をムチのように操る男と双剣の男か。んじゃ俺はこのムチ男にしようかな?

「そっちは任せたぞ」

「わかった!」

 イザナは双剣の男に向かって行くと暗黒舞踏脚で腹に黒いアザを作るとそこをダガーで切って行く。

「アガッ!!ガ!ガ!う、動けねぇ!」

「フフッ!私にはちょうど良かったみたいね」

 そうみたいだな、そのスカートはどうなってるんだ?パンツが見えそうで見えないが?

 っと!こっちもちゃんとやろう!

“パシンッ!”

「シャインは見ていていいよ!俺の力を試したいから!」

「は、はい!」

 さぁ、ミスリルソードに疾風と雷魔法を付与した雷神剣を使ってみよう!

“ジャラララララ”

 俺の剣に巻き付いた鎖が剣を奪おうとするがぴくりとも動かない。

「えへへ、力はあるみたいだな?」

「まあな。で、これがお返しだ」

“バチィ”

「ウギャアァァァァァ!」

 感電した男の鎖は剣から外れている。

「雷魔法か、あははは俺は耐性持ちだが少しは効いたぜ?」

 気持ちの悪い大男だな。

「そうは見えなかったがな?」

 思いっきり効いてた気がしたが?

 俺は素早く足の腱を斬ってやる。

「あら。足が動かないぞ?」

 自分がどんな目に合ってるのかもわからないみたいだ。

「んじゃ、裁きの鉄槌だよ!」

“バチィ!!!”

 電撃を浴びた男は声にならない声を出して真っ二つになってしまった。


 周りを見るとイザナの方は楽勝だったみたいだな。テリーとメイアはいい戦いをしているようだな。

「てめえはさっきからちまちまとガードしやがって!」

「んじゃ!シールドバッシュ」

「アガッ!」

 上を向いた大男に向かってメイアの三連射が刺さり大男が倒れる。

 テリーがトドメを刺してようやく俺らの勝利だな。


「おい!どこにいくんだ?」

「ウワッ!」

 俺が声をかけると同時にイザナがぶん投げて真ん中に落とす。

 支配人だ。

「ち、違う俺じゃない!」

「シャイン?こいつだろ?」

「そう!こいつが裏から操って王国を滅ぼした」

 支配人は表の顔で裏の顔は、

「フ、フザケルナ!オマ…ナンデカワッテルンダ?」

 俺の持ってる真実の鏡のお陰だよ?

「バレタラショウガナイ!オマエヲコロシテ!」

「もう斬りました!悪魔め」

“ボッ”

 と燃え盛る炎となって炭になる悪魔。

「悪魔のせいで国が滅んだのか」

「シャイン?」

「でも素敵なご主人様に拾われて私は嬉しいですよ」

「そうか、俺はリュウ、これからも仲間として一緒に行くか?」

「当たり前です!永遠に離れません!」

 ムギュと掴まれてほっぺにキスをされるが鋼鉄の胸当てが邪魔だな。

 じゃなくて、これでシャインも仲間にできたな!

「ちょっとごめんよ!僕を通してくれるかな!」

「よっ!スズメ、どうだった?」

「大勝ちだよ!はい取り分!僕のお小遣いも倍以上になっちゃった!」

「うちもにゃ!」

 スズメとモニカにはまた賭けが始まるから俺たちに賭けてこいと金を渡していた。

 さてと、支配人がいなくなったから取りに行くか。


 俺たちは支配人室にシャインの装備を取りに来た。シャインの装備は聖剣サフラと言うサーベルと姫騎士の鎧だ。

 他のものも物色していると、服支配人が入って来てこれからここを取り締まるそうだから出ていけと言われ物色したあとだったからさっさと出て来た。

「まぁ、金はとってないからなんとかなるだろ」

「まぁ、お金も取ってくれば良かったですのに?」

 シャインは言うが、

「まぁ、金に困ってないからな」

「ご主人様はお金持ちなんですか?」

「まぁな。さて、みんな思い思いのものをとって来たみたいだし、今日はどうする?」

 俺は今は料理を作りたくないぞ?

「それじゃああっちに有名どころがあるみたいだからそこでいいんじゃない?」

 流石イザナだ。

「よし!そこでシャインの歓迎会だ!」

「食うぞぉ!!」「食うにゃ!!」

 しょうがないから二人は胃袋の限界まで食えばいいだろ。


 「「「「「「「カンパーイ」」」」」」」


「むーむむむー!」

「にゃ!これはうちのにゃ!」

 テリーとモニカが食い物で言い合ってるのでもう一つ注文をする。

「ご主人様、あーん」

「あーん」

 これはいいのか?

「リュウ!あ、あーん」

「メイア無理するなよ?」

「わ、私のは食べないの?」

「あーん!」

「やった!」

 イザナは酒を頼みスズメと嬉しそうに話し込んでいる。

 あー、このパーティーには男が足りないな。

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