第4話 ユニーク


「俺のユニークの話をしたい」

 俺は兄貴とサーシャに話すことにした。

「それはいいが、ユニークはどこから漏れるかわからんから言わない方がいいぞ」

「そうだよ、ユニーク持ってるんだったら言わないで!」

 と言われて黙っとくことにした。俺は胸の内に秘めとくことにした。

 だが、ユニークで手に入れた物を分け与えることはいいんじゃないか?

「この疾風のダガーと鋼鉄の胸当ては兄貴に、生活魔法の魔導書と鋼鉄の槍はサーシャにだ」

「いいのか?」

「俺も新調してるから大丈夫だ」

「やった!生活魔法欲しかったんだよね」

 目を丸くしている兄貴とは反対で喜んでいるサーシャ。

「サーシャには皮の胸当てもやるぞ」

「わーい!」

 そんなことで喜んでくれるならいくらでもガチャを回すさ。


 そして落ち着くとようやく昨日の玉を見ることになった。

 金が3個、

 ・スキル 一閃

 ・スキル玉 短剣術

 ・スキル玉 槍術

 あ、当たりだ!神様なんか信じなかった龍宮寺と違い俺は神様に祈りを捧げる。

 スキル玉の槌術は俺が持っておくか。

 虹色は、

 ・ユニーク 魔法の素養(全)

 おお、これも当たりでいいんだよな?


 サッサと試したいことから試す。

「兄貴、これやるよ」

「す、スキル玉じゃないか!これどうしたんだ!」

「俺のユニークのことは聞かないはずだぜ?」

 まぁ、さっきのことだしな。

「ま。マジかぁ。売ったらいくらに」

「使えよ兄貴!」

「勿体ねぇよ!俺になんか」

 どうやって使わせようか?

「サーシャ、これやる」

「わおっ!スキル玉!なに!くれるの?」

「あぁ、槍術だ」

「やった!これで私も冒険者!」

 スキル玉を割るとサーシャの体が光り、覚えたことがわかる。

「なっ?」

「お、おぉ、分かった俺も」

 スキル玉を割って短剣術を覚えてくれたらしい。

「おしっ!ちょっと外行ってくる」

「私も!」

 二人は裏庭で体を動かしてくるらしい。

「ハハッ!俺は魔法の素養でどれだけ覚えられるかだが」

 魔法の素養はその人に適した魔法しか覚えないらしい。魔導書と違い魔法書を読んで覚える必要がある。


 ギルドに行けばいいか。

「リュウ、兄貴の最後は」

「あ、言ってなかったな!兄貴は無事だ!」

「はぁ?あの傷でか?」

「親が俺たちのために残してくれてたものがあったんだよ」

「そ、そうか、わしは、何もしてやれんで」

「泣くなよ!兄貴は無事だ!喜んでくれよ」

 親父さんは俺たちの親とも仲良かった人で俺たちの爺さんみたいな人かな。

「あぁ、そうだな」

「それはそうと、魔法書ってあったよな?」

「おう、二階に一通りあるが?」

「ちょっと読ましてもらうぜ」

「ん?お前に魔法の素養があったか?」

 親父さんには内緒だ。

「ん?ちょっとだけな」



「ほうほう、簡単だな」

 読ましてもらった魔法書はイメージを膨らませることを念頭に置いて書いてあるだけの魔法書だった。ので、パラパラと全部読んでしまった。


 ステータス


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 リュウ  18歳

 レベル25

 スキル ガード 鑑定 怪力 付与 初級剣術 初級短剣術 罠探知 一閃 火魔法 風魔法 土魔法 水魔法 光魔法 闇魔法 生活魔法 回復魔法

 ユニーク ガチャ 魔法の素養(全)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 おぉ!全部覚えられた、って、魔法の素養(全)って書いてある。


 これで兄貴達とダンジョンに潜れるな!

家に帰ると裏庭では木剣と木槍で二人して対戦していた。

「はぁ!」

「甘いぞサーシャ」

「くっ!兄貴だって、おりゃ!」

「うおぉぉ!こなくそ」

 二人とも真面目にやってるみたいだからそっとしておこう。晩飯を買ってきて二人がクタクタになった頃持って行って庭で食べる。

「俺は短剣術の素晴らしさに驚いた」

「サーシャの槍の方が上でしょ?」

「何を言う、木剣だからだろ?槍は重いぞ?」

 二人とも負けず嫌いだ。

「えへへ、それは重いかもね」

「あははは、でも二人ともすごいじゃないか」

「それを言うならお前のユニークだ」

「そうそう、ずっこいよ」

「だから分けただろ?」

「「ありがとう」」

「そう言うことだ」

 二人とも明日にはランクアップ試験を受けるそうだ。


「明日は筋肉痛だね」

「だな」

「あははは、そんなになるまでやるなよ」


 その日は夜なっても笑いながら話していて三人で眠った。


「リュウに続いて二人までDランクに上がるとはな」

 親父さんがビックリしてる。

「えへへ」

「親父さんが教育してくれたからですよ」

 と兄貴に言われてまた泣く親父さん。


 今は三人でダンジョンに入っている。

「サーシャ!」

「あいー!」

 槍はオークの頭を突き抜けている。

「なんだよ今の掛け声?気が抜けるだろ?」

「えへへ、私も咄嗟に出ちゃった」

「さて、回収回収っと」

 俺たちはダンジョンの5階層まで上がってきた。

 出てくるモンスターは、オークだ。

 

 ここまでくるのに苦労した、まずはスケルトンにサーシャが怖がって逃げるので追いかけるとスケルトンが大量に追ってきて死ぬかと思ったし。

 3階層では兄貴の嫌いなカエルだったので動けるのは俺とサーシャだけだから兄貴は陰でカタカタ震えてた。

 4階層はスパイダーでまたサーシャが怖がって、今度は逃げないように捕まえてたからなんとかなった。


 んでようやく5階層、くたびれたよ。

 だが、ようやくオークを見た瞬間から2人とも目をギラつかせて獲物を狩ることへ。


 ドロップは一応マジックバックに入れてサーシャが持ち歩いている。コインもだいぶ集まったな。

 5階層毎に守護者が現れ、それを倒すとショートカット可能になる。

 ようやくボス部屋に辿り着いた。外は夜だろうな。待ち人もいなかったのですぐに入るとオークリーダーとオークが十体出てきたのでオークは任せてオークリーダーを俺が狙う。

「一閃!」

『ぷおぉぉぉ!』

 と変な音をさせながら倒れていくオークリーダーにみんな笑いが止まらない。

「ちょ、笑わせないでよ」

「俺じゃないっての!」

「ふふっ!みんな笑いすぎ」

オークを倒したのはそれから10分も経ってないかな。

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