第14話 反撃の反撃

ゲコリーヌは空中で岩石に手を触れウェイブをかけた。


ブウォッ


するとその岩石は軌道を変え、クイーンの顔面目掛けて吹き飛んでいく。


その岩は音速を超えクイーンデーモンフルヒトスパイダーの顔面に命中した。


キーーーーー


「なんだ今のは!?」

みぃは状況を理解できない。


「あいつ…まさか…やりやがった!やったのか!!」

ゲコリーヌを気にしていた上条拳は状況を理解した。


そう、ゲコリーヌは岩石の落下を防ぐのとクイーンへの攻撃を同時にこなしたのだ。


「すげええ!ゲコリーヌがやったぞ!」


「やったか!」

「やったやった!倒したー!」



“すげー!“

”なんだ今のゲコリーヌの動き!”

“あの巨大岩を吹き飛ばせるのおかしいだろww“

”Sランク冒険者を救った恩人”

“おい、「やったか」って言っちゃダメだろ…“

”Magic!?”

”フラグを立てるな!“

“頼むからやったか!?って言わないでくれ”


冒険者は愉悦に浸っていた。


「おい!油断するな!」

みぃは相変わらず心配性のようだ。


だが、冒険者は皆クイーンに注目して警戒を再開した。

だがそれが裏目に出た。


何故なら攻撃が来たのはクイーンの逆『背後から』だったのだから。


イヤホンに研究所からの通信が聞こえた。


「後ろじゃ!今すぐ背後からの攻撃に備えろ!」


全世界に配信しているおかげで研究者がクイーンの攻撃に気づいたのだ。クイーンも流石に配信の事までは知らなかったのか、ドローンのカメラに映る位置からの攻撃だった。


だが問題があった。


その攻撃は既に『振り下ろされている途中』だったからだ。


「左右に避けろ!」


ドン!ガラガラガラ


過半数の冒険者が怪我を負った。


「嘘だろ…なんだあの巨大な剣は…」


研究所からの通信が入る。

「あれは恐らく蜘蛛の糸でできた剣じゃ。死んだふりをしながら糸を操り君たちの後ろで作っていたのじゃろう」


そんな事までできるのか。


みぃは相変わらず冷静に対処する

「私が剣の相手をする!ゲコリーヌと上条拳はクイーンを攻撃してくれ!」


「わかりました!」

「おう!」

ゲコリーヌと上条拳は気合を入れた返事をする。


その直後に鋭い脚の攻撃が飛んでくる。

だがその攻撃は避けるまでもなく当たることはなかった。

クイーンは既に目が潰れていて正確に攻撃を当ててくることはないだろう。そう判断した上条拳はジャンプしてクイーンの頭を殴りにかかる。


だがクイーンは鋭利な脚を的確に上条拳に突き刺す。間一髪先端を握ることによって直撃は避けたものの吹っ飛ばされてしまう。


なんてことだ。もしやわざと攻撃を外して目が見えないふりをしながら、空中に来て無防備になったところを狙ったのか?なんて頭が回る蜘蛛なんだ。


「ゲコリーヌさん!助太刀します!」

無事だった1人がゲコリーヌの所まで駆け寄った。


「じゃあ一緒にジャンプして空中で互いの足の裏を蹴り合って俺をクイーンの頭まで飛ばしてくれませんか?」


流石に空中で軌道を変えたら相手も攻撃できないと踏んで提案する。


「やりましょう!」

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