第11話 世界初の討伐
ゲコリーヌが敢えて岩の真ん中で止まった。剣を突き上げウェイブをかけると、岩が網目状に砕けた。
「何だ今の技は!!」
ゲコリーヌの奥義を見たSランク冒険者は驚きの声を上げた。20メートルほどあった岩が木っ端微塵に砕けたのだ。おかげで全員無事助かった。
「ありがとうゲコリーヌ!」
「助かったゲコリーヌ!」
実はこれ、全世界に配信中だった。こんな世界初の試みを政治家が証拠として残すように促さないはずがなかった。
もし失敗したら世界で最も大きな被害として世界に恐怖を与えるか、馬鹿にされるかと言うリスクがあるが、今回はゲコリーヌが参加している。なので討伐を成功させて世界に力を示そうと配信をさせているのだ。
そのアカウントは、一番フォロワーの多いゲコリーヌのアカウントで。
“えぐっ!?“
رهيب ، مروِّع ، هائل ، ضخم”
”Wow“
”は!?今の技何?”
“what?8
”ゲコリーヌの配信全部見てるけど今の技は初めて見たぞ!“
“ゲコリーヌ7大奥義の1つじゃねえか!?“
”GEKORIINU is god”
“すげえ!無料で見ていいのかよ!“
”unmöglich”
”本番で成功させるあたりが流石“
“Wow crazy!!(°▽°)”
رائع ، مذهل ، مدهش ، عجيب ، عظيم”
“外国人がゲコリーヌの強さを認知してるww”
”同接者1億人いってるぞw“
生で死人が映るかもしれない配信に1億人もの視聴者が集まった。これは後にギネス記録として語り継がれていく。
「相手はただの魔物じゃない!頭を使ってくる!」
レッサーフルヒトスパイダーはゲコリーヌを脅威と見做し、糸で攻撃してくる。それを剣で切り落とした。
キン
「なんだ今の音!」
蜘蛛の糸から出たとは思えない金属音がダンジョンに響いた。
「俺に任せろ!」
上条拳が特攻して、前足を折に行った。だがブラックドラゴンの数倍の速度で噛みつかれそうになる。1滴でも毒を食らえば10秒で死に至る猛毒が牙にあるにもかかわらず。
「まずい避けられない」
早すぎる動きに上条拳は反応できない。
スパッ
そこでゲコリーヌが頭を切り落とす。
「たす…かった…」
間一髪ゲコリーヌの攻撃が間に合い、上条拳は生き残った。
「動けなくなった仲間を助けよう!」
みぃが蜘蛛の糸を切ろうとしても、なかなか切ることができない。
「ちょっと貸してくれないか」
ゲコリーヌが交代する。
シュッ
「「何!?1発で切りやがった!」」
Sランク冒険者が驚きの声を上げる。
「さっきのモンスターのデータを取りましょう」
研究者から渡されている装置でレッサーフルヒトスパイダーの死骸をデータにする。
表面に機械を当て、なんの成分かを見るのだ。
それはリアルタイムで研究施設に送られる。
「小型の蜘蛛でここまでの強さ…クイーンはどこまで強いんだ…」
上条拳は少し怯えているようだ。
「逃げますか?」
みぃが心配する。
「いや、俺はエンシェントドラゴンを拳で倒した男だ。そう簡単に引くかよ」
視聴者はますます増えていく。絶対に失敗できない。
全員に緊張が走った。
クイーンと戦う際は研究者や陣形の専門家からの通信を貰いながら戦う。
そのためイヤホンでを装着していた。
そのせいだろうか。
クイーンデーモンフルヒトスパイダーが真上にいるにも関わらず気づかなかったのは。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます