第10話 Sランク冒険者の恐怖
「頼む!クイーンデーモンフルヒトスパイダー討伐に参加してくれ!」
上条拳が懇願する。
それをみぃが止める。
「無理やりは良くない。本人の意見を聞かないと!」
どうしよう。家族のためにも死ぬわけにはいかない。でも、みんなの役に立てるなら…。
「やります!クイーンデーモンフルヒトスパイダー討伐させてください!」
俺は絶対に死なない。今までもそうだったじゃないか。ブラックドラゴンを今まで何千体と倒してきて死んだことは1度もない。俺は勝てる。信念があるのだから。
「そうと決まれば早速1週間後に戦闘を開始しよう」
『『『おおおおお!!』』』
後ろにいるSランク冒険者も威勢の良い声を上げた。ゲコリーヌの活躍を見て信用したようだ。
1週間後、北海道に行き、クイーンデーモンフルヒトスパイダーを倒す準備は整えられた。
「準備はいいか!今から戦に向かうぞ!」
「「「おおお!!」」」
でかい。入り口からすでに天井が50メートルほどの高さになっている。
地下に潜るのにかなりの時間がかかった。そして天井の高さは200メートルほどに達していた。
「広いな」
「こんなダンジョン初めて見た」
「クイーンデーモンフルヒトスパイダーサイズが生息する場所だからな」
そんな会話をしているとブラックドラゴンが現れた。
「みんな戦闘準備に入れ!」
上条拳があわてて陣形を組ませる。
だが既に戦闘は終わっていた。
そう、ゲコリーヌが最前線を歩いていたからだ。
「そ、その必要はなかったみたいだな」
こんな調子で大ダンジョンを探索していくと、10メートルほどの蜘蛛の魔物が現れた。
「でけぇ!けどクイーンデーモンフルヒトスパイダーの割にはちっちぇえ」
「これレッサーフルヒトスパイダーじゃないですか?」
ゲコリーヌのツッコミに納得のいくSランク冒険者たち。
「じゃあ取り敢えずこの小さいサイズを討伐して腕をあっためますか」
冒険者たちは知らなかった。このちっちゃいサイズですらブラックドラゴン数体分の力があることを。
レッサーフルヒトスパイダーは蜘蛛の糸を出した。その糸は隊列の真ん中に放たれ、危ない状態に陥ったが、さすがSランク冒険者。全員が回避することに成功した。そう思われた。
「なに!?蜘蛛の糸が後ろを回って隊列の左半分を縛りやがった!?」
半数の冒険者が身動きを取れない状態になってしまった。
「ゲコリーヌ!いけるか!?」
「任せてくれ」
レッサーフルヒトスパイダーは後ろに下がった。
それをゲコリーヌと上条拳とみぃが追いかける。
「いや、まて、こいつただ逃げてるんじゃない!誘き寄せられてる!」
あらかじめ天井に罠を仕掛けていて、その岩を糸で引っ張って落としたのだ。
約20メートル巨大岩の垂直落下。
これは避けられない。
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