第9話 最恐のモンスター討伐する?

ゲコリーヌに1通のDMが届いた。


「私はBD所属のみぃです。先日は配信に上がらせていただいて有り難うございました。最近ゲコリーヌ様と共同ならあの伝説のクイーンデーモンフルヒトスパイダーを討伐できるのではないかと言う噂が流れていて、実際に挑戦してほしいと言う声が絶えないのです。他のSランクギルドのリーダーとも協力してもらう手筈になっています。人数はそれぞれのギルドのトップを集めて100人ぐらいになると思われます。当然命懸けの戦闘になるので無理強いはしません」



クイーンデーモンフルヒトスパイダーはブラックドラゴンの群れを1撃で殲滅出来るとのうわさが流れていて、世界最強のモンスターだと言われている。


世界に7体しか確認されておらず、その1体がたまたま日本に生息しているのだ。


体長は100メートルほどもあり、足が12本ある。巨大で恐怖の象徴とされるモンスター。


「ピョーン!ゲコゲコ!ゲコリーヌだ!今日はみんなに相談なんだけど、とあるSランク冒険者から一緒にクイーンデーモンフルヒトスパイダーを倒さないか?って言うDMが来たんですよね!同行する人数は100人ぐらい。いや流石に悩むよね」


“いややめとけ!あいつはマジで化け物“

”ゲコリーヌと他のSランク冒険者が協力するとか最強すぎだろwwどんなモンスターでも瞬殺しそう”

“アメリカとインドでクイーンデーモンフルヒトスパイダーに殺される事故が起きてるんだぞ!マジでやめた方がいい“

”悪いことは言わないからあいつにだけは手を出すな”

“ゲコリーヌだけでもワンチャンいけるでしょ“

”クイーンデーモンフルヒトスパイダーはブラックドラゴン10体を1撃で倒すらしいぞ”

“クイーンデーモンフルヒトスパイダーって主食がダークキングドラゴンのやつだろ?ブラックドラゴン倒せるぐらいじゃ歯が立たないって!”


「んーいろんな意見あるけどやめた方がいいってコメント多いね。辞めとこうかな」


”多分ゲコリーヌが参加しないとSランク冒険者全滅するぞ“

“たしかに”

”それはあり得る“

“今回はマジで人が死にそう”

“ギルドが政治家とかに脅されてクイーンデーモンフルヒトスパイダーを倒せって言ってるらしいぞ。世界に力をアピールするためだってさ”

”ゲコリーヌ参加してあげて“

“ゲコリーヌいないとガチで放送事故”

“インドの研究者が言ってたけどクイーンデーモンフルヒトスパイダーの糸1ミリでAK-47の連射を防ぐらしいぞ!ちなみにAK-47は1撃でヘリを落とせるレベルだからな”


「なんか参加しといた方が良さそうな雰囲気だな」


これには賛否両論だった。


確かにゲコリーヌが居なければSランク冒険者の死亡人数が圧倒的に多くなるだろう。

だからと言ってゲコリーヌを危険にさらしたくないと言う意見も理解できる。


ネットでは『ゲコリーヌクイーンデーモンフルヒトスパイダー討伐に参加すべきか』がトレンド1位を取っていた。


するとそもそもゲコリーヌが役に立つのか。と言うゲコリーヌを知らない人たちが目をつけた。そこで取り敢えずSランク冒険者で自己紹介をしようと言うことになった。



「お前みんなから何故か人気だけどどうせギャグが面白いからとかそんな理由だろ?実力見せてみろよ」

格闘家上条拳がそう言った。


「じゃあ深層に潜りましょうか」


「お、おう」


ゲコリーヌはブラックドラゴンを見つけるや否や斬りかかった。


「おい、バカ!死ぬ気か!」


上条拳が駆けつけた時にはすでにブラックドラゴンは死体へと変わっていた。


「嘘だろ…」


「わかったか。これがゲコリーヌの実力だ」

みぃが上条拳にそう言った。


「そうか。これならクイーンデーモンフルヒトスパイダーでも…」

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