第5話 上層も意外と侮れないと思ったゲコリーヌ

「ピョーン!ゲコゲコ!ゲコリーヌだ!今日は、上層っていう比較的安全な層に来ています!今日はここで、倒したことのないモンスターを倒していくよ!それと、今日は新規視聴者じゃなくて、古参の人に配信上がってもらおうと思います!」


“ゲコリーヌ初の上層?”

”初の上層は流石にないだろw”

“古参です!配信あがらせてください!“

“古参が参加できるってことはゲコリーヌと喋れるのか。熱いな!”

”ゲコリーヌが上層で無双するところ見てみたかった“


「ちょっと緊張してるんだよねー。どんなモンスターがいるのか知らないから」


この瞬間全員が驚いた。

え?上層のモンスターを知らない?どういうこと?上層で鍛えて、それで深層でも戦えるようになったんじゃないの?もしかして最初から深層で戦ってたの?

そんな疑問を抱えつつ、まあ見たらわかるか。と配信に集中する。


ーーーーーーーーーーー

古参視聴者ボイス


「初めまして!ファンです!いつもみてます!」

「こんにちは!きゃあーーゲコリーヌ様に私の声が届いてる!?」

「昔から動画を参考にさせてもらってます!おかげで最近はブラックドラゴンの討伐に成功しました!」


ーーーーーーーーーーー


かなり熱狂的なファンが多いようだ。


「こちらこそ初めまして!こんにちは!ブラックドラゴン討伐おめでとう!じゃあ早速上層のモンスター探していこうか!」


少し歩くと、スライムが姿を見せた。ゆっくりこちらに向かって近づいてくる。


ゲコリーヌは驚いた。

「え!?何これ!キモっ。とりあえず切ってみるか」


スパッ


すると、スライムが真っ二つに切れ、その切れたスライムが2つとも動き出した。つまり分裂したのだ。


「ぎゃーーー不死身だああああ」


ーーーーーーーーーーー

古参視聴者ボイス


「反応が新鮮で面白いです!」

「ええ!?スライムが分裂するのって確か…」

「ゲコリーヌさん!スライムはSランクのプロが上手く切ると、切られた事に気づかないスライムは、そのまま2匹として暫く活動するんですよ!脳がないので分裂が可能なんです!それだけゲコリーヌさんが切るの上手いってことです!」


ーーーーーーーーーーーー


「え?そうなの!?スライムってたまに分裂するの!?じゃあもう2回切ろう!」


スパッスパッ


「ぎゃああー4つに分裂したーー!」


“え?スライムを分裂させるのって捌いた魚を水槽で泳がせるぐらい難しいって聞いたことあるんだけど”

”2匹に分けるだけでも100分の一ぐらいの確率だから…え?“

“どんな確率だよw“

”4つに分裂したの世界初じゃね?”

“このスライムまだ切られた事に気づいてないって事?”


ーーーーーーーーーーー

古参視聴者ボイス


「剣の腹のところで殴ってください!そしたら死ぬはずです!」


ーーーーーーーーーーー


「わかった!やってみる!」


びちゃびちゃびちゃびちゃ


「本当だ!動かなくなった!!やったあああ!よっしゃああああ!」


“喜び方w“

”ブラックドラゴン討伐→はい倒しました。スライム討伐→よっしゃああああ”

“初めてダンジョンに潜った人で草“

,え?ダンジョン初心者?”

”スライム初めて倒したのかよww“

“スライム討伐おめでとう!“

”ブラックドラゴン倒してもおめでとうって言われないのにスライム倒しておめでとうって言われる配信者斬新すぎて好き”


ゲコリーヌはスライムを倒し、暫く喜んでいた。ブラックドラゴンを倒してもなんの感情も見せないゲコリーヌの喜ぶ姿を見た視聴者は、微笑んだ。


ーーーーーーーーーーー

古参視聴者ボイス


「質問なのですが、上層で戦ったことがないのはなぜですか?」


ーーーーーーーーーーー


「それはお母が病気で…1週間以内に大金を出さないと治せなかったんです。だからダンジョンの奥深くに潜って死に物狂いで戦いました。その結果。唯一倒せたのがブラックドラゴンだったんです!」


“エピソードが感動的すぎる“

”唯一倒せたのがブラックドラゴンなのおかしいだろww”


次はどんなモンスターが出るかと探索していると、現れたのはツノうさぎだった。


ぴょん


「あのウサギツノが生えてる!怖!」


ーーーーーーーーーーー

古参視聴者ボイス


「ゲコリーヌさんなら勝てますってwゲコリーヌさんと同じぴょんぴょんするタイプですよww」

「ゲコリーヌさんが上層で負けることありませんからww」

「ツノうさぎはすばしっこいので突進してくる時は気をつけてください!」


ーーーーーーーーーーーー


“ゲコリーヌスライムで苦戦してたしやばいんじゃね?”

”ツノうさぎは危ない“

“ブラックドラゴンの方があぶねーだろ”

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