第4話 割り箸があれば大抵なんとかなります!
「ピョーン!ゲコゲコ!ゲコリーヌだ!今日は割り箸1本でブラックドラゴンを倒していこうと思います!流石に割り箸の先端は削って刺さりやすくしています!それに関しては申し訳ない」
“別に申し訳なくねーよ“
”流石に割り箸はギャグだろ”
“割り箸削るぐらいいーだろw“
”せめてカッターとかハサミ使えよ”
尖らせた割り箸1本でブラックドラゴンに挑もうとする勇敢にも無謀なゲコリーヌを止めようと必死になる視聴者も多かった。
それはそうだろう。戦車を使っても勝てるかどうかわからないような相手に食事をする道具で挑むというのだから。
この配信には新規の視聴者も多く来ていた。
当然だろう。タイトルが、「割り箸1本でブラックドラゴンに挑んでみた!」なのだから。
とち狂ったバカか冗談で言っているだけか、それを確かめようと多くの人が配信を見に来た。配信はまごう事なき深層で行われているため、視聴者も少し視聴してみようという気持ちになった。
「では新規の視聴者さんがいたら配信に上がってください!今から割り箸でブラックドラゴン倒すのでリアクションが大きいと助かります!」
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新規視聴者ボイス
「わかったよ。もし本当に割り箸で倒せたなら驚いてやるよ」
「ブラックドラゴンの仮面をつけたスライムを割り箸で倒すだけの配信だったとしても全力で突っ込んであげるわ!」
「1つ言うよ?流石に割り箸じゃ倒せない。いや剣でも倒せねーよ」
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「それじゃあ倒して来まーす!」
そう言った途端ブラックドラゴンが現れた事に視聴者は驚きを隠せない。
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新規視聴者ボイス
「は?ガチでブラックドラゴンのいる岩陰で配信始めてたの?」
「マジ危ない!今すぐ帰れ!別にそこまでやって欲しいわけじゃないから!十分ゲコリーヌはすごいから!もう戻ってこい!」
「ブラックジョークすぎるって!ブラックドラゴンだけにってか?おい!」
しーん
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そんな声にもお構いなしに突撃するゲコリーヌ。
ゲコリーヌを発見したブラックドラゴンは咆哮を上げるが、その口の中にゲコリーヌが飛び込んでいった。
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新規視聴者ボイス
「ガチで死ににいってるんだけど!」
「うわ最悪…自殺配信かよ…」
「これ明日ニュースになるやつじゃん」
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すると、ブラックドラゴンがえずきだし、口からゲコリーヌが落ちて来た。
“お帰り“
”帰ってきた”
“ゲコリーヌは食べれません“
”ゲコリーヌ→ブラックドラゴン美味しい。ブラックドラゴン→ゲコリーヌ不味い”
“なんで助かるんだよw“
”何が起きた!?“
「はい、説明します!ブラックドラゴンの口の横には涎を出す器官があるんですけど、そこを割り箸で突き刺すとえずいて吐き出してくるんですよね!こうなると、面白い事にしばらくはこのままなのでゆっくり頸のところまで行って急所を抉っていこうと思うます!」
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新規視聴者ボイス
「は?意味わかんねーんだけどww」
「ぎゃあああああ!?はあああああ!?」
「なんで生還するんだよ!あとなんで冷静なんだよ!」
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“口の中どうだった?”
”臭いの?“
“ヌメヌメしてる?”
”ゲコリーヌ慣れしてるやつが多くて草“
”※ゲコリーヌからしたら普通のことです“
一部の、ゲコリーヌ慣れしてる視聴者がなんの驚きも見せずに冷静に質問しているところから、このゲコリーヌってやつは毎回こんなことしてる変態なのか…と新規視聴者が驚くのである。
ゲコリーヌは、ブラックドラゴンの背中を上り、頸の場所まで行くと説明を始めた。
「この鱗は、指をクロスさせるようにして隙間を開けると、パカっと取れます!コツがいりますけどね!そこに割り箸を突き刺していきます!えい!」
ブラックドラゴンはビクビクと痙攣し、暫くすると動かなくなった。
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新規視聴者ボイス
「は?やりやがったんだけどwww」
「嘘だろ!?本当に割り箸で仕留めやがったww」
「この配信者絶対タイトルとサムネがフェイクだと思われてるせいで再生回数伸びてないだろww」
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ガチで倒したゲコリーヌに驚きの声を隠せない新規視聴者。
「今度割り箸でブラックドラゴン倒すコツとか紹介しようかな!」
“誰が割り箸でブラックドラゴン討伐するんだよww“
”需要ないだろww”
“いや、食事してる時にたまたまブラックドラゴンが現れてたまたま剣がなくて割り箸で戦う事になるかもしれないだろww“
“ねーよ笑”
”そんな状況があっても俺たちじゃ倒せねーよw“
「次回はコメントにもたくさんあった、ブラックドラゴン以外のモンスターの討伐をやってみようと思います!」
「俺、明日から割り箸持ってダンジョンに潜るわ」と言うコメントを最後に配信は終了した。
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