第13話 未来
『アリア、目を覚ましてくれ』
誰かが泣きそうな声で私の名を呼んでいる。
懐かしい気持ちにさせる声の主は一体、誰なのだろう。
『アリア、お前を連れて来てしまったから、こうなってしまったのかもしれないな。未来を変える為に俺を救ってくれたのに。俺は何も出来なかった……』
意識が朦朧とする中、声の主はミカル王子であらという事に気付く。そして、これは、これから起こる未来の何かを暗示しているということを何故かアリアはわかってしまった。
『アリア、どうか、目を覚ましてくれ。俺にはアリアが必要なんだ』
私は未来で死ぬのだろうか。ミカルの泣きそうな声を聞いて、そう思わずにはいられなかった。
✤
外から聞こえる人の声でアリアは目を覚ました。アリアはベットから起き上がり、少し痛む頭を抑える。
「昨日のは夢……? いいえ、夢じゃないわ。あれは、これから先に起こる未来の何かを暗示だわ」
これから先に何が起こるのか。それは、アリアにはまだわからない。けれど、良くないことであるのは確かである。ミカル王子ではなく、私が死ぬかもしれない何かが未来に起こるかもしれない。
自分自身が死ぬかもしれない未来が例え待っていようと守りたいと思う物がある限りは、自分が信じた道を歩いていこうとそう強く思った。
「例え、この先に何があっても、私は守りたいと思う物を命に変えても守るわ」
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