第2話 追放②

【1、2、3、4……】


「ちょっと! その子何をしようとしてんの!?」


「じばくって何!? とりあえず碌でも無い事をしようとしてるのはわかるけど……!?」


「おいタクト! 早くその娘の奇行を止めろ! お前のスキルなんだろ!?」


「あ、ああ、悪い。おいアイコ、やめろ。お前が自爆したって、追放される事実には変わりないんだから」


【む、そうですか】



 瞳が赤黒く点滅し出した時点で、冗談ではなく本気で自爆しようとしていた事に気付き、慌てて止める。


 おいおい、勘弁してくれよ。これじゃあパーティー追放どころか、ここにいる全員の人生を追放させてしまう所だったぞ。


 自爆を止めさせ、やれやれとため息をつく俺は、三人からの異物を見るような視線に気付き、苦笑いの顔を浮かべた。


 ここで俺は、ようやく追放の「本当の意味」を理解する。



「……タクト。お前のスキルが有用であるのは、俺たちもよくわかってる。けどな……」


「正直、不気味なのよその子……。何なのホント、目死んでるし、唐突に奇行に走るし……」


「もうこの際、その子がタクトのスキルかどうかはどうでもいいんだ。……得体がしれなさすぎて怖いし、不気味だから、抜けてくれないかな」



「頼む」と、リーダーのソルから頭を下げられ、俺はもはや何も言い返せず、彼から告げられた追放宣言を受け入れる事にし──



【追放? ご主人を? なるほど許せませんね。殺戮を開始します】


「おい、タクトぉ!!」


「何でもいいから、早くその子連れてどっか行って!!」


「あああごめん、ごめんみんな! こら、やめなさいアイコ! やめ……やめろォ!!」



 ──その後、本格的に烈火ブレイズの面々を殺そうとし始める暴走アンドロイドを何とか収めつつ、俺とアイコは、烈火ブレイズを追放される事になった。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る