第44話 秘密会議?……続
「ナナか」
ミカンが何かを分かったかのように私に告げた。
「うん……」
私は唾を飲んだ。そして、一息ついた。
その後、彼女らの顔を見る。
「実は彼女……。ナナは……」
「ナナちゃんが……。何なの?」
また、少し間が開く。そして、私は口を開いた。
「多重人格者なの……」
「多重……」
「人格者……?」
「とても信じられない」というかのような顔を彼女たちはしていた。私も本物を目の当たりにしたときは信じられなかった。しかし、いるものはいるのだから納得せざる負えない。
彼女らも本気で信じてもらうためには本物を見てもらう必要がありそうだが。
「ま……まぁ……。一旦そう考えて、議論しましょうか……」
「何?!なんか私がホラ吹いてるみたいになってるけど、気のせいだよね?!」
「うん……。まぁ、大丈夫ダヨ?」
ひとまず、ナナなしでの会議となった。アイツも来たくなさそうだったし。
*****
通称『仲良し作戦会議』一部内容。
ミカン:ところで、そのナナの人格って何人あるの?
ノドカ:えっと……。8人……。
エル:多いですね……。
ノドカ:ちなみに、前のナナはナナ②って言う人だったみたい。
ノゾミ:なんか、そのまんまね……。多分、出現順で①、②ってつけたんでしょ。
ノドカ:うん。ビンゴ。
ミカン:その台詞は作者が言うべきセリフだと思うわ。
エル:なんか、すっごい脱線してる。
*****
エル:……で、どうすればよいと思います?
ノゾミ:とにかく、二人きりにさせてみるのが一番だと思う。勿論、前と同じナナでね。
ノドカ:それなんだけど……。ナナ②が出てこないらしい……。
ノゾミ:それ……。どうゆうこと?
ノドカ:理由は分からないんだけど。
*****
というわけで、何故かナナを連れてルキのもとへ行くことになった。
そして、翌日……。
私たち、ストップ同盟はひとまずナナの家に向かった。(住所は運営に訊いた)
「おーい、ナナー!」
「あーはいはい……。あ、なんだ。お前たちか……」
今日のナナは眠そうに玄関からでてきた。その仕草はまるで男だ。
「今回のナナは何番?」
「ん?俺?俺はナナ④だけど……。あ、ちなみに勘違いされちゃあ困るけど、俺、男だから」
「「「「うん、だろうね」」」」
その声は見事にハモった。
*****
というわけで、ルキのいる場所に行こうとしたわけだが……。
「なんで、あいつ……。姫路にいるんだよー!」
「なんか、姫路駅にあるえきそば食べに行くって言ってました」
「なんやそれ」
えきそば?姫路駅のそばは果たして何が特別なのだろうか。
「てか、わざわざ行かなくてもよくない?」
「ちょっと、関西行ってみたかったんだよね」
「俺は面倒だから行きたくないんだけど」
「いいから、ナナは来い。元々お前の②のせいなんだから」
という会話を新幹線の中でやっていた。もう文句を言うのは遅いだろう。手遅れだ。
「面倒で東京に戻りたいんだったら、交通費は自腹な。ちゃんと付き合ったら経費で落ちるけど」
そんなので経費で落ちるの?
そんなことも話しながら、私たちは姫路駅に向かった。
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