木本仁アカナ編(オマケ!)
第36話 クラスメイトに推されてます!
「みんな!おひさー」
『おひさ?』
『毎晩、配信してんじゃん』
「あ、いや、私の、本編前に配信パートは6話ぶりだからさ」
『あなるほど』
「でさ、みんなって推し活仲間いる?」
『いるよー!』
「いるかぁ……。やっぱり、みんなで推すならジェネリックバーチャルリアリティーとかの大手かな?」
『いや、普通にアカナちゃんも推してる』
「マジで?!うれしいなぁ……」
*****
最近、クラスの一部の層の中でVtuberの推し活が流行っているらしい。まぁ、でも流石にこの私、木本仁アカナを推しているやつはいないだろう。
「で、お前は誰が最推し?」
「やっぱり、アカナでしょ!木本仁アカナ!」
私は口に含んだジュースを一気に噴き出した。
「げほっ!げほっ!」
「なんだ、なんだ?」
「い、いや、なんでもありません。すみません」
クラスの目線が私に集まった。
嫌だなぁ………………。私が上川千穂のときはあまり注目を浴びたくないのだが……。(木本仁アカナのときは別にいい。だってVtuberだし)
───てか、いるんだなぁ……。私のファン、しかも、クラスに……。あの人の名前何だっけ?
私は木本仁アカナを推していると言った男子の名札を盗み見た。
『
確か、彼はクラスの中ではリーダー的存在。Vtuberが好きだったとはびっくりだ。しかも、アカナが最推しだとは。
*****
とある日、私のスマホにメールが届いた。その送り主は私のママである人物だった。ママといっても、勿論、木本仁アカナとしてのママである。
『新しい立ち絵描いたけど、どう?』
そこには何とも可愛い衣装を着ていいポーズをとっている木本仁アカナの立ち絵であった。
『いいですね!』
私はそう返信した。
そうしていると後ろからある声が聞こえた。
「え?それって、木本仁アカナ?!」
「?!」
私はびっくりして後ろに振り返った。その声の主はあの西川拓郎であった。
「どうしたんですか?拓郎氏?」
その横には、これぞオタクの代表格を表すかのようなオタクっぷりをクラスに出している、肥満体系の持ち主、
───てか、この二人、仲良かったんだ。
「いや~。この上川さんがスマホにアカナちゃんの絵出しとって」
「あ、そういえば、拓郎氏の最推しは木本仁アカナでしたね」
「てか、ごめんね!勝手にスマホ、覗いちゃって」
「いや、大丈夫ですよ!」
私は手をブンブン振って伝えた。
「くりばいたるかぁ……。くりばいたるなら、僕は未鈴ちゃんとのどかちゃんならたまに見ますね」
と尾道は語り始めた。
あ、これもしかして、巻き込まれるやつ?
「俺はくりばいたるの中では勿論、アカナちゃんもいいんだけど、分かる?灯見光」
「なんか、最近、深夜配信で話題になってましたよね?」
「アカナちゃんと光ちゃんの絡み、尊いわ」
───めっちゃ、愛してくれてんじゃん。
すっげぇ、なんか、逆に滅茶苦茶照れ臭い。
私は思わず、頬を赤らめた。
「ん?どうした?上川さん」
「い、いや?!何にも?!!」
私は思わず、焦って否定してしまった。なんか、ちょっと、分かりやすすぎるな。
目の前の二人は頭の上に「?」を浮かべてしまっている。
───嗚呼、Google先生……。目の前に自分のファンがいて、目を丸くしているとき、どうするのが正しいのでしょうか?
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