第17話 方針・目標を決定します!
和俊さんが会議を始めた。
「やっぱ、メインは動画でしょ」←光
「いや、ここは交流のできる配信をメインに」←未鈴
「え~。あとから見る人大変じゃん」←光
主に発言するのは光と未鈴だった。私や、聖川先輩は……。まぁ、どっちでもいいや、と結構、消極的な存在である。
「そんなんなら、分業すれば?」
「「分業?」」
のどか先輩のアイデアに二人は首を傾げた。
「あれだよ、無理にみんなで同じことをせずに、共同にして、配信やりたければ配信。動画作りたければ、動画作らばいいでしょ?」
「「確かに……」」
のどか先輩のおかげでこのチャンネルの方針が決まったようだ。よかった、よかった。
*****
カタカタと私はあることを調べていた。「新人Vtuber彗星未鈴の初配信」のことである。
すると、あるネット記事が出てきた。
『Vtuber界に期待の新人現る!!
先日、彗星未鈴というVtuberの初配信がYouTubeにて行われた。彗星未鈴とは、X(旧Twitter)にてフォロワー数百万人を記録するほどの人気があり、いきなりのVtuber化ということにファンたちは喜びの声に配信のコメント欄は埋め尽くされた。そして、配信時間はわずか三十分。配信中にチャンネル登録者がみるみるうちに増え、何故か、登録者が十万人いったら配信を終わるということになり、配信開始後、三十分で達成し、このような、かなり短い初配信となった。』
このような記事が書かれていた。(面倒なら読まなくてもよい、長いからね)
「よくよく、言語化してみると、やっぱりすごいな」
私はその記事を結構真剣に読んで、やはり衝撃を受けていた。ちなみに、この事態が起きていた時、私は学校の課題をしていたので、立ち会えなかったのだ。秋谷先輩も事情があって、立ち会えなかったようだ。
「でも、これは伝説だよね、んじゃ、未鈴は主に配信をするというわけで?」
と秋谷先輩は提案した。
「いや、私自身はまだ配信のトーク力とかはあまりないので……」
「あの事態は未鈴のもとからの人気からってことか……」
「も~、担当とかどうでもよくない?できたものを適当に公開していく方針で」
と光は提案した。
「まあ~そんな感じで、たまに、みんなで集まって配信、動画投稿していく感じでいっか」
その考えにくりばいたるにいる人間は了承した。
*****
この流れでまさかの聖川先輩が発言した。
「ここは目標を決めたほうが積極性があがるかと!」
なかなか乗り気だ。さっきまで、どっちでもいいや……。みたいな感じだったのに、いきなり積極性とか、何ほざいているのか……。
ここで、聖川先輩の相方ともいえる立場、光と未鈴が「はいはい!」と小学生みたいに元気よく手を挙げた。
「「ここは!チャンネル登録者、100万人でしょ!!」」
息ぴったりだな。
「100万人って、さすがにまだ気が早いのでは……」
さすがに私は反論した。
「え~目標高くいこうよ~」
「黙れ、登録者一万台」
光は部屋の隅っこでしょげてしまった。ちょっと、言い過ぎたか?
「大丈夫だよ、光はちょっとあんなの言われても二分で立ち直るメンタルは持ってるから」
「それなら安心です……」
ん?「言い過ぎたかな?」って私、口に出して言ったけ?
「ん?言ってないよ?」
「…………」
?????
十分後
「とりあえずは目標は銀盾!10万人でいきましょう!」
結局はチャンネル登録者10万人を目指す方向性に決まった。
「銀盾か~!なんかワクワクするな!!」
「ん?そういえば、未鈴の盾っていつ来るの?」
光が疑問を持った。
「分からないです」
「のどか知らないの~?」
そういえば、秋谷先輩も10万人超えていたな……。私は忘れていたが……。
「まだ来てない」
「あの……。二人とも?手続きってしてたっけ?」
和俊さんがそう、二人に声をかけた。それに対して、二人は頭に「?」を浮かべている。
してないなこりゃ。
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