くりばいたる公式YouTube チャンネル編

第16話 くりばいたる公式YouTubeチャンネル設立!

 学校では、ある一定数の人たちの間である話題で盛り上がった。

 そして、そのある一定数の人たちの中には私たち漫研も含まれていたのだ。


「昨日の晩、やばいこと起きたよね。見た?」


 真理先輩が話を提起した。


「あ~、あのことか」


 それに仁香先輩がなにやら分かったかのような反応をした。


「あの~。一体、何の話をしているんですか?」


 それに尋ねる私、上原千穂。現在、何もわかっていない。


「あれだよ、あれ、そうそう、これ」


 あれ、これ、それ、では分かるわけない。真理先輩は口下手か?

 そして、彼女は私にスマホの画面を見せてきた。

 その画面には『彗星未鈴ちゃんねる』と書いていた。そのチャンネルには一つのアーカイブが残っていた。その配信タイトルは『彗星未鈴の初配信』配信時間は約三十分。このチャンネルのチャンネル登録者数は12万人……。12万人……?


「わぁ……。これ、どーゆうこと?」


 もう、デビューしていたのか……。そこまでは、まぁ理解できた。一つ連絡よこしてくれでもよいだろうとは思ったが、最近、私は無意識に美梨花を避けてしまっているから、しょうがないだろう。


「いや~。彗星未鈴は前から知ってたけど、ここまですごい人とは!」


 真理先輩は未鈴を称賛していた。

 確かに、この実績は称賛に値する。


「ほら、もう切り替えて、原稿進めるよ!」

「「はあい」」


 原稿……。そう、この部活結構凄くて、普通に雑誌にも連載されるほどの実績のある部活だったのだ。あまり、学校では目立っていないのだが。

 一応、その連載する漫画はみんなでシナリオを考えて、部長を中心に原画を描き、背景等々、作業していく、それでも、私の都合はしっかりまかり通っている。通らせてもらっている。見かけによらず、すごい人たちだ。


*****


 久しぶりにくりばいたるに来ることができた。多分、一人ということはない。光は絶対にいることだろう。


「おつかれさまでーす」

「お、アカナ、いいところに」


 ビンゴ。

 やっぱりいたよ、もうここに住んでいるのでは??とも疑ってしまう。実際には違うらしいが。


「いいところって、なんか、あったんですか?」


 そういえば、今、気づいたが、今日は全員集合か。

 聖川先輩はもちろん、未鈴、秋谷先輩、和俊さんも集まっている。


「実はな……。さっき、『くりばいたる公式チャンネル』を開設したんだ!」

「あ、そうなんですか」

「反応薄くない?!!」

「だからそんなもんだって」

「逆になんで今までなかったんですか?」

「僕もなんで作らなかったのか、なぞだ」

「まぁ、これで私の出番増えるなら、万歳かな?」


 みんなしゃべりすぎ、誰が、誰かが、分からんて。

 ……。いや、頑張れば、判別できるかもしれないが……。


「とりあえず、いまは、このチャンネルで何をするかを話し合ってたんだよ」

「なるほどです。でも、なんでいきなり今?」

「未鈴が死ぬほど伸びたから。未鈴が一緒にこのチャンネルに出れば、事務所の名前も私たちの名前も、一緒に売れるでしょ?」


 まぁ、だろうな。

 だいたい、予想はついていた。

 でも、こんなカオスなVtuberたちが一緒に一つのチャンネルをやるなんて……。

 正直、嫌な予感しかしない。

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