親会社からの出向は偉いんだなの件

・・・・!! 腐ってやがる

と某有名アニメの髭のオジサンのセリフではないが。

 腐ってやがる。会社そのものが。まあ、そんなもんだろう。どこの馬鹿が、手前の利益ならない不正するんだよ。ニュースでは手間を惜しんでとか言っていたが、そんなことをしないといけないほどの検査させるほうが悪い。というか不正ありきでシステムが造られている。なんて、一派遣社員が分かるはずも無いが、現場は言われた通りしているだけ。だから告発してもしょうがない。この分だとトップへの胃報告も無駄。いやはや詰んだ。詰んだ。未来永劫このドアを付け続けるのか。

 勘弁してくれ。マジでもう狂いそうだ。

 そんなことを思っていると、俺たちとも社員とも違う小奇麗な作業着の青年が入って来た。底辺に近い工場には異物のエリートオーラー。

「あの人は誰ですか?」と職長に聞くと「T社からの出向だ。失礼なことするなよ」

との事。工場長も米ツキバッタの様にぺこぺこしている。彼はこの工場のカイゼンについて見学と言う名の監査に来ており、結果が出るまで常駐するらしい。諦めたおかげで視野が広がったのか、今まで全く気が付かなかった人物だ。ここまでくるとダメ元だ!っという感じでT社出向者様に託すしかない。

 それからの俺は神より偉い出向者様と工場最底辺の派遣がコンタクト出来る方法を考えた。まあ、普通ないよね。しかし俺には繰り返せるというメリットがある。そして、トライアンドエラーの結果。工程改善策を提起して、費用対効果の大きさから採択、出向者様から直接お声をかけて頂けるようになった。まあ、前世ではM&Aやリストラ提案などみて、出資撤退を決めていたから知識はある。海外の類似案件をパクっただけのなのにすんなり食いつてくれた。まあ、この案自体は致命的な欠陥があるのだが。そして、出向者様との関係をつくり、ようやく内部告発に至れることになった。しかも、何も分からない振りをしてオブラートに情報提供した。まあ、後はエリート出向者様が良きに計らうだろう。これでこのループから逃れられる。

 だが、結果は予想であった。

 出向者様は何を思ったか、すぐさま親会社のT社に報告。T社から内部監査が続々と現れ、俺たちも様々な確認作業をさせられ、大々的に不適切問題として世間に公表することなった。まあ、後は予想通り、目の前にはドアがありいつものように脳死で取りつける俺がいた・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る