第7話 俺ってやな奴だったんだと言う件

 何とか、俺とコンタクトする為に、ここのところ時間があれば、俺の行くところに行っていた。幸い金はあるから普段ブーやんが出入りしないような場所にも出て行った。その場所で使う金だけでなく、服や小物にも金をかけた。さすがにブーやんの普段着だと浮きまくるからな。

 で、この一週間で分かった事。俺はやな奴だったと言う事だった。ファーストコンタクトの洋食屋でもやな感じだったが、観察すればするほどやな奴だった。いきなり声をかけても不審がられるだけで、悪手だから、じわじわ距離を詰めるつもりだったが、どの店でも評判が悪い。会員制ではないがエグゼクティブが集まるバーに行ったが、金で釣ったおねえちゃん引き連れて、下品に騒ぎ、他のエグゼクティブとは会話もしない。このエリアを自慢したいだけだったのか?当然評判も悪い。しかも、エグゼクティブ向けと言っても本物のエグゼクティブは居らず、ただの成金の集まるところ。ここの入るのは二流、三流。値段だけは一流のようだ。まあ、今の折れば三流どころか底辺だが。ほかにもよく顔を出していたヨットクラブにも行ったが、スタッフ相手に横暴な態度をとって、自分より格下の人間を見つけてマウントを取って悦に入るという具合だ。俺にも突っかかってくるかなと思ったが、幸いと言うか残念ながら、俺(ブーやん)は視界にも入らないらしい。見える場所に件のベンチャー企業の経理に関するレポート(探偵に調査させたのだが、これはこれで金がかかった)をおいたが、見向きもしない。匿名で叩き送ろうかと思ったが、この世界では怪しい情報は自分を貶めるための情報でしかないというのが常識だ。

 うーん、詰んでない?どうすれば良いのか。もう一週間も無い。仕事なんて休めば良いと思っているが、それはブーやんの責任感の強さなのか、俺の意思ではどうにもならず、通常通り働いている。焦りは募るが、手の打ちようが無い。そんな日を過ごすと、Xデイまでのカウントダウンが近づいてきた。

 

 

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